1998 Fiscal Year Annual Research Report
吸着分子の秩序構造形成に働く吸着種間相互作用の解明
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10740281
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
加藤 浩之 理化学研究所, 表面化学研究室, 基礎科学特別研究員 (80300862)
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Keywords | 固体表面 / 吸着分子 / 2次元超構造 / 分子間相互作用 / 高感度低速電子線回折装置 / 高分解電子エネルギー損失分光 / 振動分散 / 立体障害的反発作用 |
Research Abstract |
本研究は、吸着分子間に働く相互作用に関して、既存の高分解電子エネルギー損失分光による振動分光測定と、低速電子線回折による超構造観測の両面から定量的な理解を目的とするものである。特に、低被覆表面に見られる引力的な相互作用を調べるには、微弱な入射電子線でも測定が可能な(測定試料に影響の少ない)高感度の低速電子線回折装置が有力な実験手段となると考え、試作を進めている。本年度は、この高感度-低速電子線回折装置の基本構成の検討・設計を行った。来年度にそのテスト・評価を行った後、完成させたいと考えている。 一方、昨年度立ち上げた振動分光による実験からは、高被覆吸着種間に見られる反発的相互作用に関し、重要な結果を得ることが出来た。固体表面に吸着する分子は、高被覆層の形成に伴い分子軸の配向を変えることが知られている。Pd(110)表面に吸着するCO分子を例に取り、配向に関する被覆量依存性を調べたところ、高被覆層内のCO分子が傾く原因として、吸着分子の分子軌道の重なりによる立体障害的な反発が主な相互作用であることを実験的に明らかにした。また、このときの分子間力を、測定した振動モードの分散から定量的に解析・評価し、現在、原著論文としてまとめている。来年度は、当研究を低被覆表面へ拡張していく予定であり、試作中の高感度-低速電子線回折装置との融合を図る。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiroyuki Kato,et al.: "Determination of six types of vibrational modes for bridge CO on Pd(110)" Surface Science. (in press). (1999)
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[Publications] Hiroyuki Kato,et al.: "Switching in the molecular orientation ruled by steric repulsion of adsorbed CO on Pd(110)" Physical Review Letters. (in press). (1999)