1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740301
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿藤 敏行 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40241567)
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Keywords | 超高圧力 / 高圧合成 / 電子遷移 / アルカリ金属 / X線回折 / ダイヤモンドアンビルセル |
Research Abstract |
第四周期以下のアルカリ金属(K,Rb,Cs)は高圧力下においてns^1電子状態から(n-1)d^1電子状態へと連続的に遷移し、遷移金属的な挙動を示すようになることが知られている。このような圧力誘起によるs-d電子遷移の研究はこれまで金属単体に対して理論的、実験的に行われてきたが、d^1金属としての化学的な挙動については明らかとなっていない。本研究ではこのような電子遷移に着目して、常圧下では化合物を生成しないアルカリ金属-遷移金属間の新化合物を合成することを目的とする。まず比較的電子構造の単純なカリウム-貴金属間の新たな金属間化合物の合成および構造決定をおこない、d^1元素に見られる化学結合の特徴を明らかとする。さらにアルカリ金属としてルビジウム、セシウム、また遷移金属として7〜10族の元素を対象として新たな化合物の合成をめざす。 本年度は交付された科研費によりX線回折ステージ、ダイヤモンドアンビル等を購入した。X線回折ステージは現在組立て調整中であるが、予備実験として酸化コバルトの圧縮曲線を50GPaまでの圧力範囲で測定し好結果を得ている。本研究では大気中では極めて不安定なアルカリ金属を扱う必要があるのでサンプリングには高純度アルゴングローブボックスが必要不可欠である。そのため来年度は本研究所外(科学技術庁無機材質研究所)との共同研究の形でカリウム-銅系についてサンプリングを行い実験を進める予定である。
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[Publications] J.V.Badding: "High-pressure synthesis of alkali metal-transition metal compounds-A new class of intermetallics" Rev.High Pressure Sci.Technol.7. 1049-1053 (1998)
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[Publications] Y.Noguchi: "High-Pressure Phase Transition of Cobalt Monoxide Due to Electronic Transition" Jpn.J.Appl.Phys.38. L7-L9 (1999)