1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740312
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
奧 浩之 群馬大学, 工学部, 助手 (20301749)
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Keywords | 生物無機化学 / 錯体化学 / 光反応 / 水和反応 / ニトリルヒドラターゼ / 一酸化窒素 / スルフィン酸 / 赤外分光法 |
Research Abstract |
光応答性金属酵素、Nitrile Hydratase(=NHase)は明所中、NOを解離し活性化、また暗所中NOを結合することで不活性化される。更に活性型酵素は含有するFe(III)イオンでニトリルの水和反応を行う。平成10年度は活性中心モデル錯体の合成に必要な2つの研究を行った。その結果、酵素の(1)光応答過程、(2)モデル配位子の合成と錯体形成、について成果を得た。 (1) NO分子は不活性型酵素の活性中心Feイオン(α-subunit)に配位している(Noguchi et al.1995,Odaka et al.1997)。今回NHase中のNO分子のFT-IRスペクトルを様々な条件下で測定した。その結果Fe-NO配位構造に2つのconformer I,IIのあること(pH7.5で-2.9kJ/mol.Kのエネルギー差)、β-subunitにある基質ポケットに配位したNO、を発見した(Oku et al subumitted)。 (2) NHaseの特徴は活性中心にsulfinate,amide,thiolate,sulfenate配位子を持つことである(0daka et al.1998,Nagashima et al.1998)。この新規活性中心構造と高効率な酵素反応(光応答と水和反応)の関係を明らかにするため、今回モデル配位子とそのFe,Coモデル錯体を合成した。配位子は2,6-dimethylbenzenesulinate sodium salt、1,2-(S-acetyl-mercaptopropionilamide)-ethylene、1,2-(S-acetyl-thiosalicylamide)-ethylene、を新規に合成した。現在は錯体合成と生成した錯体の性質を解析している。
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