1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10740326
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
瀧上 隆智 九州大学, 理学部, 助手 (40271100)
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Keywords | 油 / 水界面 / 自己組織化膜 / 吸着膜相転移 / ブリュースター角顕微鏡 / 界面の熱力学 / 凝縮膜 |
Research Abstract |
本研究では自己組織化膜(吸着膜)の状態に関して界面張力測定と結果の熱力学的解析から求まるマクロな情報とブリュースター角顕微鏡を用いた膜構造のその場観察から得られるミクロな情報を融合し、油/水界面における自己組織化膜の二次元秩序構造形成機構を多角的に解明することを目的としている。 今年度においては、以下に示す内容の研究成果を得ることが出来た。 1 吸着膜相転移の熱力学的研究 (1) 炭化水素系アルコール(イコサノール)と炭化フッ素系アルコール(フルオロデカノール)の油/水界面における混合吸着膜が、気体膜-膨張膜-凝縮膜間の相転移に加えイコサノール凝縮膜-フルオロデカノール凝縮膜間の相転移を引き起こすことや凝縮膜は単独のアルコール成分のみから成ることを見出した。またこの凝縮膜間の相転移は大きな体積の減少を伴うことも明かとなった。 (2) フッ素置換数の異なる長鎖アルコールの油/水界面吸着膜の研究から、フッ素置換数の増大に伴うアルコール水酸基の分極の増大が凝縮膜状態でのより密なパッキングを促進すること等を見出した。 2 ブリュースター角顕微鏡の作製 油/水界面吸着膜の相転移に伴う二次元秩序構造の形成過程をモニターするために、ブリュースター角顕微鏡の製作を行った。現在、油/水界面への適用に向けた専用のセルを作製中である。 今後は、本年度に得られたマクロな情報を基に、顕微鏡による膜構造のその場観察を行い、秩序構造形成に及ぼす分子構造や分子間相互作用の影響を明らかにする予定である。
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