1998 Fiscal Year Annual Research Report
微小液滴および液膜中に於ける分子物性の顕微分光測定とその温度依存性
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10740340
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
八尾 浩史 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20261282)
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| Keywords | 界面現象 / J会合体 / 固液界面 / 全反射蛍光分光 / AFM / 微小領域 / 3次元構造 |
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| Research Abstract |
メゾスコビックな微小領域に於いては界面現象が大きく関与する事が期待される。これまで、界面が関与した分子会合形成促進現象に注目し、ガラス/水溶液界面領域中に形成する高次会合体(J会合体)の発現を見出している。このJ会合体が、ガラス表面に存在するアニオンサイトと分子との間の静電的な相互作用によって形成すること、また、顕微分光法や全反射蛍光分光法を駆使することにより、バルク溶液中に形成するJ会合体とは異なる物性を持ち、界面近傍のみに形成することを新たに証明した。また、そのJ会合体形成挙動の濃度依存性、或いは冷却加熱装置による温度依存性を詳しく調べたところ、J会合体の吸収帯の揺らぎが観測された。これはガラス/水溶液界面に形成するJ会合体は比較的ルーズな構造を取っている事、また高濃度下や低温下ではより規則正しく配列することに起因している事を示した。
更に、表面構造が明確であり規則正しいアニオンサイトを持つマイカを用いて、マイカ/水溶液界面領域に形成するJ会合体を研究した。このJ会合体はガラス/溶液界面に形成するものに比べて、温度や濃度に対してその吸収帯に揺らぎは無く、従ってより分子間相互作用が強く、またそのためにより規則正しい配列を持つことが示唆された。その構造をAFM(原子間力顕微鏡)によりその場覗察する事に成功し、その結果、J会合体は数百ナノメートルに及ぶドメインを形成する事、更に重要なことは、従来予想されでいた単分子層の構造ではなく、およそ5ナノメートルの高さに成長した多分子層の3次元構造を取ることを初めて見出した。従って、今後、その分子間相互作用の及ぶ領域や分光物性との関連、或いは単一のJ会合体の分光特性に注目し研究してゆきたい。
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[Publications] Hiroshi Yao: "Surface-Induced J Aggregation of Pseudoisocyanine Dye at a Glass/Solution Interface Studied by Total-Internal-Reflection Fluorescence Spectroscopy." J.Phys.Chem.B. v.102. 7691-7694 (1998)
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[Publications] 八尾浩史: "J会合体形成に於ける固/液界面機能" 分析化学. v.47. 937-943 (1998)
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[Publications] Shoko Sugiyama: "Three-dimensional Structure of J Aggregates of Pseudoisocyanine Chloride Dyes at a Mica/Solution Interface Revealed dy AFM." Chem.Lett.No.1. 37-38 (1999)
