1999 Fiscal Year Annual Research Report
植物ホルモンオーキシンにより誘導される遺伝子arcAの機能解析
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10740365
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 さらみ 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20282725)
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Keywords | オーキシン / arcA遺伝子 / two-hybridscreening / WD40 リピート / BY-2細胞 |
Research Abstract |
本研究では植物ホルモンとして最も多面的な作用を持つオーキシンで発現が制御されるarcAをタバコ培養細胞BY-2からクローン化して解析してきた。WD-40 repeat と呼ばれる分子内繰り返し構造を有するarcA産物は、様々な生体制御因子を構成員とするGβファミリーに属する。WD-40 repeat構造はタンパク質間の相互作用のモチーフと考えられるため、arcA産物と相互作用すると、思われるタンパク質を探索し、arcA機能同定のための重要な情報を取得ようと試みた。分子遺伝学的操作が可能となる酵母での解析を主に進めた。本年度は以下のような成果があった。 (1)酵母に置いてarcAは1コピーしか存在しない。酵母arcAの破壊株を作製したところ、通常の増殖には影響の無いことが判明した。arcAは何らかの刺激による細胞の応答過程に関与しているかもしれない。 (2)分裂酵母のtwo-hybrid用ライブラリーが入手可能となったので、酵母に於いてarcA相互作用タンパク質を探索した。10^6以上のクローンをスクリーニングしたところ、数種の転写関連因子が単離されてきた。これから、arcAは転写過程に関与している可能性が高いと考えられる。これは、植物細胞においてarcAが核に局在する事と符合する。現在、in vitroで相互作用を確認している。
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