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1998 Fiscal Year Annual Research Report

亜鉛バクテリオクロロフィルを持つ光合成細菌のポルフィリン環への亜鉛配位機構の解析

Research Project

Project/Area Number 10740367
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

増田 建  東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (00242305)

Keywordsバクテリオクロロフィル / Mg-キラターゼ / Acidiphilium rubrum / 酸性環境 / 液体クロマトグラフィー / 亜鉛
Research Abstract

好気性好酸性細菌Acidiphilium属におけるZn-バクテリオクロロフィル(Zn-Bchl)合成系の解明を目的として、Acidiphiliumrubrumを材料として、バクテリオクロロフィル合成系のMg-キラターゼ相同遺伝子のスクリーニングを行った。Mg-キラターゼは、Bchl,DおよびHをサブユニットとする酵素であることが知られている。BchlおよびHにおいて保存されているアミノ酸配列よりプライマーを設計し、A.rubrumのゲノムをテンプレートとしてPCRを行ったところ、双方からBchlおよびHと相同性を有したPCR産物を得た。ゲノムサザンを行ったところ、これらBchlおよびH遺伝子はA.rubrumのゲノム中にそれぞれ1コピーづつ存在していた。これらをプローブとして、ゲノムライブラリをスクリーニングしたところ、bchlは、bchP-orf168-bchl-bchD-ort320-cnlのクラスター上にコードされていた。推定されるアミノ酸配列は、Rhodobacter capsulatusに対し、BChlは59.2%、BchDは40.5%のidentityを有していた。一方、A.rubrumのbchHは、bchF-bchN-bchB-bchH-bchLのクラスター上にコードされており、Rba.capsulatusのBchHに対して約55%のidentitiyが認められた。これらの遺伝子を、紅色光合成細菌Rhodobacter capsulatusのbchl,bchD,bchH各変異株に遺伝子導入し、機能相補検定を試みたところ、それぞれの遺伝子単独では相補が認められなかったが、各遺伝子をタンデムに連結し導入したところ、変異株を相補することが出来た。得られた相補株の光合成色素を解析した結果、Bchlの蓄積のみが認められ、Zn-Bchl aは検出されなかった。次に、A.rubrum細胞中のBchl中間体をHPLCで解析したところ、(1)Mg-キラターゼの反応生成物であるMg-プロトポルフィリンIX(Proto)およびそのモノメチルエステル体(ME)のみが蓄積しており、Zn-Protoの蓄積は認められない、(2)Mg-Proto ME以降のMg-ポルフィリン錯体の蓄積が殆ど認められない、(3)Mg-Proto MEからMg^<2+>が脱離したProto MEが多量に蓄積していることが明らかとなった。また原子吸光分析により、A.rubrumにおけるBchl中間体画分の解析を行ったが、Zn^<2+>の含量はMg^<2+>に比べて25%程度であったことから、Zn-ポルフィリン錯体も多くは蓄積していないことが明らかとなった。以上の結果より、A.rubrumでは、Mg-キラターゼがProtoにMg^<2+>を挿入後、Mg-Proto MEまで代謝され、Mg-Proto MEからのMg^<2+>の脱離および引き続くZn^<2+>の挿入によってZn一Bchl aが合成されることが強く示唆された。

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Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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