1998 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物成長帯のアポプラスト空間でのインドール酢酸の生合成系とその制御機構の検討
Project/Area Number |
10740377
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
鶴崎 健一 福山大学, 一般教育部, 講師 (70268671)
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Keywords | インドール酢酸 / インドールアセトアルデヒド / アルデヒド酸化酵素 / アポプラスト / 下胚軸成長帯 |
Research Abstract |
高等植物成長帯のナポプラスト空間でインドール酢酸(IAA)が生合成される経路について、特に黄化カボチャ芽生えの下胚軸成長帯に注目して研究を行い、以下の結果を得た。 黄化カボチャ下胚軸の成長帯切片から、50mMリン酸緩衝液(pH6.5)でinfiltrateした後に遠心法によりアポプラスト液を得た。そのアポプラスト液中にインドールアセトアルデヒド(LAAId)を酸化してIAAに変換する活性が存在し、しかも、その酵素は細胞壁あるいは細胞膜外側表面に弱くイオン的に結合している可能性が示された。また、カボチャ下胚軸のシンプラストのマーカーとしてグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼの活性も同時に測定することにより、アポプラスト液中のLAAId酸化活性がシンプラスト液の混入によるものではないことも確認した。さらに、native-PAGE後に行った活性染色から、アポプラストとシンプラストのアルデヒド酸化酵素のバンドの位置が異なることや、Arabido psisから得られた既知の植物アルデヒド酸化酵素であるAO1とAO2の抗体(東京都立大学小柴共一先生より寄贈)を用いたWestemblotingから、このアポプラストに存在するアルデヒド酸化酵素はそれらと異なるタンパク質であることが分かった。 現在、アポプラスト中のIAAIdに特異的なアルデヒド酵素の精製を検討しているが、試料として得られる量が非常に少なく、失活も早いため現在のところ成功していない。次年度は本酵素の精製方法を確立し、IAAの生合成との関連を検討したい。
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