1999 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物成長帯のアポプラスト空間でのインドール酢酸の生合成系とその制御機構の検討
Project/Area Number |
10740377
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
鶴崎 健一 福山大学, 一般教育部, 講師 (70268671)
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Keywords | インドール酢酸 / インドールアセトアルデヒド / アポプラスト / 生合成 / インドールエタノール |
Research Abstract |
昨年に引き続き、高等植物成長帯のアポプラスト空間のアルデヒド酸化酵素を介したインドール酢酸(IAA)の生合成について研究を行い、以下の結果を得た。 昨年、黄化カボチャ下胚軸の成長帯切片で既知の植物アルデヒド酸化酵素と異なるインドールアセトアルデヒド(IAAId)を酸化してIAAに変換するアルデヒド酸化酵素が、アポプラスト中に存在することを報告した。そこで、本酵素の精製を試みた。黄化カボチャ下胚軸の成長帯切片から、50mMリン酸緩衝液(pH6.5)でinfiltrateした後に遠心法によりアポプラスト液を得、カラムクロマトグラフィーにより、精製を行った。DEAE-Sepharoseを用いたイオン交換クロマトグラフィーで、NaClのstepwise溶出で、0Mと0.3Mの二つの画分に活性を検出した。しかし、酵素が比較的早く失活してしまうのに加え、一回に集められるアポプラスト液の量が少なく、様々な方法を試みたが以降の精製を行うことが出来なかった。 同時に、オオムギ幼葉鞘切片の細胞壁画分のアルデヒド酸化酵素の精製も試みたが、こちらもNaCl、LiCl、MgCl_2などの塩や界面活性剤、セルラーゼ等を用いて、酵素の可溶化を試みたがいずれもうまくいかなかった。また、IAAの基質となるIAAldの検出のために、IAAldを水素化ホウ素ナトリウムで還元しインドールエタノールに変換して検出する方法を検討した。HPLCによる分析の結果、アポプラストサンプル中のインドールエタノール量が増加した。しかし、還元率、回収率やアーティファクトの問題が残された。 今後、本酵素の精製方法やIAAld検出方法を再度検討し、IAAの生合成との関連を検討したい。
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