1999 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物の光形態形成を支配する因子群の分子遺伝学・生化学並びに細胞生物学的解析
Project/Area Number |
10740387
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山本 義治 理化学研究所, 植物変異探索研究チーム, 研究員 (50301784)
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Keywords | シロイヌナズナ / 光形態形成 / 遺伝子発現 / 転写 / コマクチベーター / COP1 |
Research Abstract |
CIP4Aと相互作用するCOP1のドメインをGST pulldown法を用いて決定し、CIP4AはCOP1のCOILドメインと結合することを明らかにした。これまでのCOP1、CIP7に関する知見と考え併せ、COP1のCOIL領域は複数の下流因子とのインターフェースであることが示唆された。また、CIP4Aの細胞内局在をGFP融合タンパク質を用いて解析した結果、CIP4Aは光環境に依らず恒常的に核局在することを明らかにした。CIP4Aの持つ転写活性化能と考えあわせると、CIP4AはCIP7同様共.転写因子であることが強く示唆された。さらにCIP4アンチセンス植物の表現系を詳細に解析した結果、CIP4は光シグナルによる細胞伸長抑制並びに葉緑体形成に関わるが、光依存的なアントシアニン合成には関与していないことを明らかにした。従ってCOP1の下流には、アントシアニン合成並びに葉緑体形成を促進するCIP7依存的経路と葉緑体形成並びに細胞伸長抑制を促進するCIP4依存的経路に分岐することが強く示唆される。cip7-like変異体の詳細な表現型の解析から、CIP7-likeはCIP7と同じシグナル伝達経路に位置することを明らかにした。CIP7とCIP7-likeどちらか一方の変異体やアンチセンス株、過剰発現株の表現型の解析からCIP7とCIP7-likeはタンパク質レベルでヘテロ二量体を形成する可能性が示唆された。
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[Publications] Y.Y.Yamamoto,P.Puente,X.-W.Deng: "An Arabidopsis cotyledon-specitic albinolocus : a possible role in 16S rRNA maturation"Plant and Cell Physiology. 41・1. 印刷中 (2000)
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[Publications] 山本義治、中澤美紀、松井南: "光形態形成-核内因子を中心に-"細胞工学別冊「新版植物の形を決める分子機構」秀潤社. 244-256 (2000)