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1998 Fiscal Year Annual Research Report

分子系統学における有用遺伝子の探索:ショウジョウバエを用いたアプローチ

Research Project

Project/Area Number 10740398
Research InstitutionTokyo Metropolitan University

Principal Investigator

田村 浩一郎  東京都立大学, 理学研究科, 助手 (00254144)

Keywords分子系統 / 分子進化 / 系統樹 / 塩基置換 / ショウジョウバエ / コンピュータ・シミュレーション / 配列データ / ミトコンドリアDNA
Research Abstract

分子系統学では、DNA塩基配列やタンパク質のアミノ酸配列データを用いて生物分類群間の系統関係を分析するが、用いた配列データによって異なった結果が導かれる問題が生じる。原因は、多くの場合、配列データに含まれる系統情報の質と量が遺伝子の進化特性によって左右されるためと考えられる。そこで、配列データのどのような性質が系統解析の信頼性に影響するのか、その様な性質は遺伝子のどのような分子進化によってもたらされるのかを明らかにし、系統解析に適した遺伝子を同定することを試みた。方法は、実際の配列データの解析とコンピュータ・シミュレーションを用いた。
配列データの解析は、系統関係が明らかなショウジョウバエの代表的な4種の7つの遺伝子について行い、系統樹推定の信頼性に影響する配列データの性質を検討した。その結果、(1)系統樹推定の信頼性は用いる配列データによって大きな差があること、(2)その差は配列データにおける進化速度のサイト間変異の程度に大きく影響されることなどがわかった。これらの結果をもとに、ショウジョウバエの系統解析にはwhite遺伝子が有効であることが予想された。
コンピュータ・シミュレーションでは、特定のモデル系統樹に基づいて塩基置換を起こすことにより、祖先配列を4本の配列に分化させ、生じた4本の配列データから系統樹を再構築し、モデル系統樹の樹形が再現される確率を求めた。塩基置換の特性をいろいろ変え、どのような特性が系統樹再構築の精度に関わるかを調べた。その結果、トランジション/トランスバージョン比が高く、塩基置換率の塩基座間変異の程度が大きい場合、正しい系統樹が得られる確率が非常に低くなることがわかった。すなわち、分子系統学において広く用いられているミトコンドリアDNAの分子進化的特性は、系統解析には必ずしも適していないことが示唆された。

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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