1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小松 京嗣 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (90261502)
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Keywords | 非線形光学 / 有機結晶 / モルホルジー |
Research Abstract |
本研究のターゲットである2次光非線形有機化合物4-Dimethylamino-N-methylstilbazolium tosylate(DAST)の合成を行った。得られた化合物の単結晶を得るために、2度再結晶を行った後、メタノール溶液からスローエバポレイションを行った。この際溶媒のメタノール中に水分が多く含まれる場合水分子を中心とした対称構造を形成する事が多く、目的とする2次光非線形を失う結果となる。そこで本研究では蒸留したメタノールの一部をマグネシウムで処理し、アルコキシド存在下で還留したメタノールを用いる事により再現性良く単結晶を作製する事が可能となった。この単結晶を種結晶として成長方向の誘導を行うため、ガラス製のキャピラリーを作製し、種結晶のa軸方向に取り付け飽和溶液中での成長を試みた。成長した結晶を本予算で購入した偏光顕微鏡にて詳細に検討したところ、種結晶と同じ方位を持つ結晶が成長している事が確認された。ただし、キャピラリー中の全容積を結晶が埋めるには至っておらず、キャピラリー径や長さの最適化がさらに必要である。また、これまで溶液からのDAST結晶作成用の溶媒としてはメタノールが使用されて来たが、アセトニトリルもメタノールと同様に良質の単結晶を与えることを見い出した。今後結晶品質をメタノール溶媒の場合と比較検討する予定である。 また、計算機による結晶成長方位の予測においてドネーハーカー法によりDAST単結晶のモルホルジーを良く再現する事を確認した。これを元にDAST分子に摂動を与えた場合のモルホルジ一変化を予測、検証していく予定である。
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