1998 Fiscal Year Annual Research Report
In_2Se_3層状半導体の巨大電気的異方性と不純物添加に関する研究
Project/Area Number |
10750007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡本 保 東京工業大学, 量子効果エレクトロニクス研究センター, 助手 (80233378)
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Keywords | セレン化インジウム / III-VI族化合物半導体 / 層状構造 / 欠損性ウルツ鉱構造 / 電気的異方性 / 光学的異方性 |
Research Abstract |
III_2-VI_3族化合物半導体In_2Se_3は、層状構造(α相)あるいは欠損性ウルツ鉱構造(γ相)という独特な構造を有し、電気的・光学的異方性や旋光性など特異な物性を示すことから、新機能性デバイス材料として期待される。本研究ではまず、分子線エピタキシー法により層状構造を有するα-In_2S_3のエピタキシャル成長に成功し、(001)GaAs微傾斜基板を用いることで配向制御に成功した。また、α-In_2Se_3エピタキシャル薄膜の電気的・光学的特性の評価を行ったところ、大きな電気的・光学的異方性を有するという特異な物性を明らかにした。 さらに、GaAs(111)B基板を用いることにより、空孔が螺旋状に規則配列して旋光性を有することが知られている、欠損性ウルツ鉱構造を有するγ-In_2Se_3のエピタキシャル成長に成功した。得られた試料に関してX線回折測定を行ったところ、In_2Se_3薄膜がc軸配向してエピタキシャル成長していることを確認した。さらに光導電率スペクトルの測定を行った結果、吸収端の位置より、欠損性ウルツ鉱構造を有するγ-In_2Se_3が成長していることが確認できた。また、フォトルミネセンス測定を行ったところ、579nm付近に鋭い励起子発光が観測され、優れた光学的特性を有していることが明らかになった。一方、AFMによる表面形状観測の結果からは、欠損性ウルツ鉱構造を反映した6角錐状の構造が形成されていることが確認された。
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Research Products
(1 results)