1998 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギーイオンによる表面局所ポテンシャル場の解析
Project/Area Number |
10750021
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
安江 常夫 大阪電気通信大学, 工学部, 助教授 (00212275)
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Keywords | 表面局所ポテンシャル / 荷電変換過程 / 低エネルギーイオン |
Research Abstract |
低エネルギーのイオンと固体表面との荷電変換過程は、物理的に見て非常に興味深いばかりでなく、例えば2次イオン質量分析法や低エネルギーイオン散乱といった表面評価法において重要な役割を果たしている。荷電変換は固体表面近傍で起こるため、表面の局所的な静電ポテンシャルを考慮する必要があることが近年明らかとなってきた。本研究はこの局所静電ポテンシャル場を実験的に明らかにしようとするものである。平成10年度は実験を行うための予備的な段階として、既存の実験装置の改良を行ってきた。具体的には(1) 飛行時間型エネルギー分析器の設計と製作 (2) ビームチョッピングシステムの構築 (3) 真空排気系の整備 である。(1)においては、直衝突型の飛行時間分析器および角度分解型飛行時間型分析器を同一の真空チャンバーに設置し、かつ中性粒子の検出も行えるようにした。(2)については、時間分解能を向上するためのシステムの構築を行った。(3)については、本研究では主にアルカリ金属吸着系を対象とするため清浄な超高真空環境を実現すべく整備を行った。またこれら以外に、これまでに得てきた2次イオンのイオン化過程に関する実験結果の詳細な解析を行った。 以上により実験を行うための設備の改良が終了したので、次年度は本格的に局所静電ポテンシャル場の解析を行うための実験を行う予定である。具体的には低エネルギーイオンビームの散乱過程における中性化を観測し、角度依存性、エネルギー依存性などから局所効果を推定し、低エネルギーイオンと表面との荷電変換過程に及ぼす局所静電ポテンシャルの影響について考察を行う。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Kan,K.Mitsukawa,T.Ueyama,M.Takada,T.Yasue,T.Koshikawa: "Secondary Ion Emission from Alkali/Si Systems" J.Surf.Analysis. (印刷中). (1999)