1999 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域光の光スペクトル領域干渉を用いたリフレクトメトリー
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10750024
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
船場 忠幸 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30238654)
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Keywords | 広帯域光 / リフレクトメトリー / 低コヒーレンス / 干渉スペクトル / SLD / LED / フーリエ変換 / 断層画像計測 |
Research Abstract |
本研究では,期間内に広帯域光の光スペクトル領域干渉を用いたリフレクトメトリーを実用的な技術とするため,生体試料の測定にも応用可能な水準のシステム構築を目指し研究を行なっている。本年度は,主に計測システムの最適化とデータ処理法に重点を置き研究を行い,より広帯域な光源を用いた空間分解能向上の検討も行った。最初にSLDを用いた測定系を昨年度の成果を元に光学系を再構成して干渉計の安定性を向上させた。ガラスの厚みを連続的に計測して安定性の確認を行ったところ,24時間連続して計測を続けても測定値の変化は起こらず,非常に安定性の高い系であることが確認された。また,断層計測システムにおいてサンプル走査とデータ取り込みの最適化を行い,500点計測で3分30秒程度まで短縮することに成功した。 再構築したシステムを用いて断層計測実験を行ない,植物などを対象として計測を行ったところ,最大1.5mm程度の深さまでの画像化に成功した。そしてこの計測データに対し強度補正,コヒーレンス関数との相関処理やデイコンボリューション等の信号処理を適用し処理を行ったところ,空間分解能や画質向上が確認された。しかし,測定対象によっては逆効果となる場合もあり,今後処理プログラムの更なる最適化や対象物ごとに最適な処理法を検討する必要があることが分かった。 また,光源としてより広帯域なLEDの応用を検討したが,空間分解能の向上は可能なものの空間コヒーレンスが悪いために断層計測にまでは至らず,空間フィルタリング等の光源の利用法の検討が必要であることがわかった。 本年度の研究により,システムの最適化と画像処理の効果が確認でき実用的なシステム化へ指針が得られ生体試料計測にも応用可能であることが確認された。しかし,より高性能化を計るには光源の取り扱い法等に更なる検討が必要であることがわかった。以上の成果は後日公表予定である。
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