1998 Fiscal Year Annual Research Report
液晶・高分子複合体中の光空間電界による液晶分子再配列型ホログラム形成の研究
Project/Area Number |
10750033
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小野 浩司 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10283029)
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Keywords | 液晶 / 高分子液晶 / 光導電性 / ホログラム / フォトリフラクティブ / 光記録 / 光情報処理 / 光機能性 |
Research Abstract |
液晶に適当な光導電性増感剤を添加することによって、光空間電界の発生と液晶分子の周期的な再配列によって「分子再配列型フォトリフラクティブ効果」と呼ばれるメカニズムによってホログラム形成が可能なことが知られていた。従来用いられていた低分子液晶では解像度が低く、高密度用途には不向きであった。我々は、本研究の研究目的に添って主に実験的手法によって検討した結果、以下に示す結果を得た。 (1) 低分子液晶に高分子を添加し複合化することによって、ホログラムの解像度が飛躍的に向上する。 (2) 低分子液晶と高分子液晶を複合化して用いると、光散乱による損失を押さえることが可能であり、従来にない高性能・高効率な有機フォトリフラクティブ材料を得ることができる。 (3) 低分子液晶・高分子液晶複合体のフォトリフラクティブ効果は、液晶性を持たない従来の高分子複合体のフォトリフラクティブ効果と比べて、効果発現に必要な印加電界を1-2桁小さくすることができる。 (4) 特性は、低分子液晶と高分子液晶の組成比によって大きく変化し、用途に応じて特性の制御が可能である。組成や記録条件によって数十ms程度の応答速度を得ることが可能であり、実時間ホログラム応用の潜在的な性能を有することが確認された。 これらの結果は、近年注目されている有機フォトリフラクティブ材料の中でも卓越したものであり、注目に値する。今後は液晶・高分子複合体の中でも特に低分子液晶・高分子液晶複合体に注目し、複合体の物性と記録特性との関係、高分子液晶に光導電性の基を付与するなどの高機能化を図る、などを行う予定である。
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[Publications] H.Ono,I.Saito and N.Kawatsuki: "Photorefractive Bragg diffraction in high-and low-molar-mass liquid crystal mixture." AppL.Phys.Lett.72. 1942-1944 (1998)
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[Publications] H.Ono and N.Kawatsuki: "Real-time holograms in liquid crystals on photoconductive polymer surfaces." Opt.Commun.147. 237-241 (1998)
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[Publications] H.Ono,I.Saito and N.kawatsuki: "Orientational photorefractive properties in polymer dispersed liquid crystals with different polymer matrix." Proceedings of SPIE's 43^<rd> Annual Meeting at San Diego. 3475. 122-133 (1998)
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[Publications] H.Ono and N.Kawatsuki: "Orientational photorefractive effects in liquid crystals with polymers." Recent Research Developments in Applied Physics.1. 47-68 (1998)
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[Publications] H.Ono and N,Kawatsuki: "Strong beam coupling in mesogenic materials with photorefractive Bragg gratings." Opt.Lett.24. 130-132 (1999)
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[Publications] H.Ono and N.Kawatsuki: "Response characteristics of high-performance photorefractive liquid crystals." Jpn.J.Appl.Phys.(1999)