1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750048
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
森下 達哉 東京工業高等専門学校, 電気工学科, 助手 (40280359)
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Keywords | 時間領域差分法 / 能動騒音制御 / FDTD method / Active noise control / 適応フィルタ / Adaptive filter |
Research Abstract |
能動騒音制御(Active Noise Control,ANC)システムによって良好な制御効果を得るためには,適切な信号処理を行うことに加えて,システムを適用する音場の特性を積極的に利用することが重要である.従来は,信号処理系と音響系の両者を十分に考慮した上で一括して扱うことは少なかった. そこで本研究では,適応フィルタを用いたANCシステムを,様々な閉空間内音場に適用した場合に,音場特性および信号処理特性の双方について時間領域における解析を可能とするために,音場特性計算に時間領域差分(Finite Difference Time Domain,FDTD)法と呼ばれる数値計算法の使用を提案した. 本年度は,FDTD法による音場特性の数値計算法を確立するため,筒状のダクト形状をもつ閉空間内音場モデルについて3次元FDTD法により数値計算を行った.計算結果の妥当性を検証するため,同様の形状をもつ実験ダクトにおいて実験を行った.ダクト内の軸方向および断面内の音圧分布について計算結果と実験結果とを比較した結果,計算結果と実験結果はほぼ一致しており,計算結果が妥当であることが確認できた. 次に,FDTD法による音場特性計算法を用いたANCシステムのシミュレーションを行った.シミュレーション結果の妥当性の検証を容易にするため,シミュレーション対象は,比較的容易に解析可能で,動作特性が明らかになっている,1次元音場に設置されたフィードフォワード型1入力1出力ANCシステムとした.その結果,信号帯域と計算精度の関係や音源のモデル化などについては検討の余地があるものの,ANCシステムの動作を模擬できていることが確認できた.以上の成果を,1999年3月に行われた日本音響学会春季研究発表会において発表した.
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