1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750079
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
楠川 量啓 高知工科大学, 工学部, 助教授 (60195435)
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Keywords | 圧電セラミックス / 疲労損傷 / き裂伝ぱ / 表面観察 / 粒界き裂 |
Research Abstract |
平成10年度においては、分極処理を行ったPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックスに繰返し電界をかけた場合の材料表面における損傷挙動について調査を行った。 実験に用いた材料は、市販のPZT圧電素子ペレット(直径42mm、厚さ10mm、フルウチ化学製)で板厚方向に分極したものを用いた。ジルコニウムとチタンのモル比は52:48で0.3重量%のニオブを含んでいる。試験片は4×6×2mmの直方体とし、納入ペレットからダイヤモンドカッタにより最小寸法方向が分極方向に一致するようにに切り出し、4×6mmの両面に導電性エポキシ樹脂を電極として塗布した。観察面(6×2mm)はダイヤモンドペースト(1μm)により鏡面状に仕上た。 実験には高圧直流安定化電源(容量50kV、450W、マクセレック製)を用いて、試験片に40mHz.0〜+2.4kV(0-1200kV/m)の正弦波状繰返し電界を与えた。試験片の変位量はレーザ変位計を用いてモニターした。表面の連続観察にはレプリカ法を用いて光学顕微鏡により行った。 上記条件下で200回程度の繰返し電界を与えた後に観察表面において結晶粒の欠落が多数観察された。さらに電界を繰り返し与えるとこの部分を起点として、分極方向に垂直な方向にき裂が伝ぱしていくのが観察された。き裂はすべて粒界き裂で、表面でのき裂伝ぱ速度は平均で5.1×10^<-10>m/cycleであった。このような損傷過程は、結晶粒と粒界における、誘電率など電気的特性の差異により繰返し電界負荷において生じる電荷の集中などが原因と考えられるが、詳細な検討は今後の課題である。
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