1999 Fiscal Year Annual Research Report
マルチワイヤソーによる夜精密スライシングに関する研究
Project/Area Number |
10750089
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
坂本 智 鳥取大学, 工学部・機械工学科, 助手 (90294339)
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Keywords | マルチワイヤソー / スライシング / 工作機械 |
Research Abstract |
スライシングの高精度・高効率化を目的とし,マルチワイヤソーの基本的なスライシング性能を明らかにした.また,ワーク回転型マルチワイヤソーの開発を行った.得られた主な結果を以下に示す. 1マルチワイヤソーのスライシング性能に関する基礎的研究 (1)ワイヤ走行速度が速いほど加工時間が短く,比加工エネルギも小さくなる傾向にある. (2)スラリー中の砥粒濃度は50wt%程度で十分である. (3)ワイヤに与える張力は可能な限り大きくする方がよい. 2ワーク回転型マルチワイヤソーの開発 (1)加工部へ容易に十分な量のスラリーを供給することができるため,加工時間の短縮が可能となる. (2)スライシング面はラッピングを施した場合と同等の効果が得られ,ソーマークの無い良好なスライシング面を得ることができる. (3)スライシング面のうねりを減少させることが可能である. 3スラリーの組成がスライシング性能におよぼす影響 (1)高粘度スラリーを用いることにより,スラリーの極少量化が可能となる. (2)砥粒径が大きいほどスライシング時間は短縮される傾向にある. (3)複合砥粒スラリーを用いた場合のスライシングでは粒径の大きな砥粒の影響がより強くあらわれる. (4)#800に#500を25wt%程度混合した複合砥粒スラリーを用いることにより,高効率・高精度スライシングが可能である. 4ガイドローラ(メインローラ)に関する研究 焼入れ鋼材やセラミック等の高硬度材に比べ,弾性に富む樹脂製材の方が摩耗は少ない.しかし,材種選定には,スライシング精度との兼ね合いが必要,今後,ガイドローラに関してはさらなる実験を進めていきたい.
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[Publications] 坂本智: "ワイヤソーによる硬脆材料の高効率切断に関する基礎的研究"1998年度砥粒加工学会学術講演会講演論文集. 276-277 (1998)
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[Publications] 坂本智: "ワーク回転型ワイヤソーによる硬脆材料の切断加工"1998年度精密工学会九州支部・中国四国支部 佐賀地方講演会講演論文集. 7-8 (1998)
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[Publications] 坂本智: "ワーク回転型マルチワイヤソーのスライシング性能"日本機械学会 中国四国支部第37期総会・講演会 講演論文集. No.995-1. 135-136 (1998)
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[Publications] 坂本智: "ワーク回転型マルチワイヤソーのスライシング性能--高粘度スラリーの試用-"1999年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 594-594 (1999)
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[Publications] 坂本智: "ワーク回転型マルチワイヤソーのスライシング性能に関する研究-スライシング性能に与える砥粒径の影響--"1999年度精密工学会松江地方講演会講演論文集. 27-28 (1999)