1998 Fiscal Year Annual Research Report
オートマチックトランスミッション用環状部品成形のための新型加工装置の開発
Project/Area Number |
10750090
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松永 良一 九州大学, 工学部, 助手 (30253488)
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Keywords | 回転加工 / 転造成形 / 自動車 / トランスミッション / 歯車 / 歯筋精度 |
Research Abstract |
1. 実験装置 研究計画を見直した結果,別の目的で使用された実験装置を改良することにより,新たな加工法を提案することにした.これまで,歯車の歯面仕上げ転造に用いられてきた転造装置をオートマチックトランスミッション用環状部品成形のために応用した.加工方式は,ねじ状工具による転造加工で,工具軸とワーク軸が直交する回転加工である.歯車の加工では,ねじ状工具と歯車はかみ合いながら加工が行われる.本加工では,ねじ状工具を外工具と呼ぶ.ワーク軸には歯形をもつ内工具に環状ワークを被せたものを取り付ける.今回外工具は歯車の歯面仕上げ転造に使用されたものをそのまま用いた.また内工具の形状は,外工具で加工される歯形を予想した結果を用い決定した.さらに内工具と外工具は直接かみ合わないものの,加工中位相が合わなければならない.これは,ワーク軸に取り付けられた歯車で,外工具とかみ合って回転するガイド歯車を用いることで解決した.ガイド歯車は内工具と同時加工を行うことで位相を合わせた.環状部品の加工は外工具であるねじ状工具がガイド歯車を回しながらワーク軸を軸方向に送り,歯溝を成形する.こうして全く新しい環状部品成形法を提案し,その実験装置の準備を行った. 2. 実験結果 この加工法で環状部品が成形可能であることを確認した.また,各種形状精度も測定した.目標精度はJIS6級程度であったが,歯形精度はそれを十分満たした.歯筋精度はある実験条件では満たしていなかった.精度悪化の原因を加工初期の歯溝成形時であると考え,加工工程を工夫した結果,歯筋精度を向上させることができ,JIS6級に達した.
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