1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的アルゴリズムに基づく金型分割面構造の最適化による形成不良の低減
Project/Area Number |
10750091
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
是澤 宏之 九州工業大学, 情報工学部, 教務職員 (70295012)
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Keywords | 射出成形金型 / 金型分割面 / 遺伝的アルゴリズム / 最適化 / バリ / 成形不良の低減 |
Research Abstract |
平成10年度では,数値実験として,1.「遺伝的アルゴリズムに基づく金型分割面の最適形状の生成方法の検討」を,成形実験用の金型製作として,2.「基礎実験用の試験金型の設計」を行った. 1においては,金型分割面構造を表現する遺伝子構造とその操作(交叉および突然変異)および遺伝子を淘汰する際に用いる適合度の式を検討した.最適化の過程において,適合度の式は,淘汰による遺伝子の選択に,大きな影響を与える重要な式である.同時にこの式では,金型設計という視点も考慮して,使用樹脂に対応した金型分割面先端の許容可能な間隙量と応力集中を制御するための許容可能な最大応力値を同時に指定可能とした.最適化される金型分割面形状は,指定された値を可能な限り実現するように生成される.これにより,最適化を実行した結果,数世代の後に得られる新たな金型分割面形状をもつ金型では,平坦な金型分割面をもつ従来の金型と比較して,金型分割面付近の最大応力値が約2倍程度にもかかわらず,その間隙量は,約1/10程度となる新たな金型分割面形状を得ることができた.また,現在検討中の方法は,初期形状によっては,初期値依存性が若干存在することも確認した.2においては,来年度に実施予定である基礎実験に関して,間隙量を任意に変更可能な試験金型の設計を行った. 平成11年度では,1においては,最適化の過程において,現在と比較して,より最適な分割面形状を得るための操作方法および初期値依存性の解消について検討を行う予定である.2においては,試験金型の製作を行い,使用樹脂に関する間隙量と成形条件の相関を調べる基礎実験を行い,これに基づいて,遺伝的アルゴリズムにより得られる最適化された金型分割面形状をもつ金型の有用性を検討する実証実験を行う予定である.
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Research Products
(2 results)