1998 Fiscal Year Annual Research Report
脆性材料の延性モード切削における工具刃先温度に関する研究
Project/Area Number |
10750093
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
佐藤 昌彦 富山県立大学, 工学部, 助手 (50244512)
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Keywords | 微小切削 / 温度測定 / 放射温度計 / 光ファイバ / ダイヤモンド工具 / 工具刃先温度 / 脆性材料 / 延性モード |
Research Abstract |
本研究では,ダイヤモンド工具による脆性材料の微小切削における工具刃先温度を,光ファイバ型熱放射温度計により測定した.使用した切削工具は頂角136゚のビッカース圧子形状の単結晶ダイヤモンドである.被削材として光学ガラス,Al_2O_3を用いた.切削速度は960m/minである.工具刃先温度を測定するための温度計にはInSb素子とMCT素子を2層化した赤外線検出素子による2色温度計を用い,光ファイバと組み合わせた.それぞれの素子からの出力信号の比をとることにより,温度に換算する.光ファイバにはTe系カルコゲナイドガラスを主成分としたファイバを用いており,約50℃から600℃までの温度測定が可能である.2色温度計を構成することにより,工具と切りくずとの接触面の大きさによらない温度測定が可能となる.温度校正は,一定温度に加熱した被削材試片からの放射光を検出することにより行った.切削実験の結果,本方法,すなわち工具切りくずの接触面から放射されダイヤモンド工具内を透過してきた赤外線を工具裏面から光ファイバで受光して温度計に伝送することにより,切込み量が数μm以下の微小切削における工具刃先温度を測定することができた.光学ガラスを被削材とした場合の工具刃先温度は約90℃と低く,Al_2O^3を被削材とした場合は約200℃であった.ただし切削は延性モードと脆性モードが混在しており,今後は安定した延性モード切削を実現し,脆性材料の微小切削形態と工具刃先温度の関係について考察する.
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