1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750102
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 豊 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (80293059)
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Keywords | フルイドパワーシステム / アクチュエータ / ER流体 / ER効果 / 電気粘性流体 / 直動形 / 流体駆動 / 粘性駆動 |
Research Abstract |
ER流体を用いることにより,可動部なしで電気信号で直接流体パワーを制御することが可能となる.本研究課題はER流体を作動流体としER流体の粘性変化を利用した,粘性駆動による新しい動作原理の高機能アクチュエータ(ERアクチュエータ)の提案および実現を目的としている.本年度は,まず,直動形ERアクチュエータ数学モデルの確立およびマグネットカップリングを用いた直動形ERアクチュエータの提案および試作をおこなった.実施結果の具体的内容は以下のとおりである. 提案するマグネットカップリングを用いた直動形ERアクチュエータの原理は,つぎのとおりである.アクチュエータ内に2組の可動電極により構成される流路を設け,2組の電極間には対向したER流体の流れをつくる.ER流体は供給圧力一定または供給流量一定でアクチュエータへ供給される.印加する電極対を変えることで内部の可動電極は左右に動く.この可動電極の動きを外部に取り出すことで直動形アクチュエータを実現することができる.可動電極の動きを外部に取り出す際に,本研究では,マグネットカップリングの採用により密閉構造を実現し,ER流体の外部漏れを防止した.直動形ERアクチュエータの試作に際しては,平行平板間をER流体が流れる際の数学モデルを基礎とする,直動形ERアクチュエータ数学モデルを提案し設計指針とした.実用的なERアクチュエータとして,最大発生力を60N,最高速度を1.15m/sとしてアクチュエータを設計および試作した.試作した直動形ERアクチュエータの大きさは,100×350×50mmである.試作した直動形ERアクチュエータの特性評価をおこない,可動電極の軸受けにER粒子が混入する問題があることが明らかになった.今後の課題としては,可動電極の軸受け対策が挙げられる.
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[Publications] 近藤 豊: "ER流体を用いた流体駆動回転形アクチュエータ(マグネットカップリングによる摩擦低減)"日本機械学会第76期全国大会講演論文集V. 255-256 (1999)
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[Publications] 近藤 豊: "回転可動電極形ERアクチュエータ(試作および静特性実験)"日本機械学会1999年度年次大会講演論文集V. 225-226 (1999)
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[Publications] Yutaka KONDOH: "Actuators Making Use of Electro-Rheological Fluids (Proposition of a Rotary-type ER Actuator)"Proc.of 7th International Conference on Electrorheological (ER) Fluids and Magneto-rheological (MR) Suspensions. (in press). (2000)
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[Publications] Yutaka KONDOH: "Movable Electrode-type ER Actuators (Proposal of Linear-type and Rotary-type METERA)"Pro of IROS 99. Vol. 3. 1757-1761 (1999)