1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750109
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
田丸 雄摩 九州工業大学, 工学部, 助手 (30284590)
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Keywords | 圧電素子アクチュエータ / 精密位置決め / 機械要素 / 微動制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は微動を与える変位アクチュエータとして圧電素子(PZT)を利用して,広範囲の位置決めを高精度かつ確実に行う方法を探求することである.広範囲の微動を可能にするという点ではこれまでにも数多くの変位拡大機構が提案されているが変位量は大きくなるもののその反面,変位分解能は荒くなるという欠点をもつ.本所究ではこの点に着目し,1年目は一つのはりにてこ機構を用いて変位の拡大と縮小を併せ持った機構をつくり,縮小に対して拡大時に生じるオーバーシュートや整定時間が長くなるといった問題を制御方法を工夫することで解決できることを提案した.2年目は実用性を考えて変位の拡大,縮小を連係的に制御し,変位拡大時の位置決め精度の低下を変位縮小によって補完し,変位拡大を実現しつつ,位置決め精度も向上させる機構を考案した.いずれの研究に対しても装置を試作し,微動特性を調べた.変位特性を知るために行った計算値と実験値は良好に一致し,十分実用性があることが確認できた.また,微小な変位を高精度に測定する方法として,はりに生じるひずみを検出し,これを変位量に換算する方法をとった.この方法はあわせて,微動制御時に電圧に対して発生するヒステリシスを避けることができるという長所もある.実際,フイードバック制御で確実に微動を行う際もこのひずみを用いることで,位置決めを高精度に実現できた. この2年間の研究で広範囲の位置決めを高精度かつ確実に行う方法の基礎的な知見を十分に得ることができた.今後も本研究をもとに微小変位機構の研究を発展させていきたい.本研究の成果については精密工学会にて2件の口頭発表をさせていただいた.研究内容がまとまり次第,論文にも投稿する予定である.
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