1998 Fiscal Year Annual Research Report
パッド形ジャーナル軸受内の潤滑流体の流れに関する基礎的研究
Project/Area Number |
10750111
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
野間 正泰 舞鶴工業高等専門学校, 電子制御工学科, 講師 (40180773)
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Keywords | Pad Type Journal Bearing / Toylor Vortex Flow / Vortex / Three-Dimensional Flow / PIV Technique |
Research Abstract |
本研究では,パッド形ジャーナル軸受について,回転軸に垂直な断面内の流体の流れをアルミ粉懸濁法を用いて可視化して,ディジタルVTRに記録した.可視化画像を動画像対応画像処理ボードに取込み,濃度相関法によって速度ベクトルと流跡を求めた.速度ベクトルは,逐次棄却法を用いた濃淡パターン追跡アルゴリズムにより,非常に高速で計測された.さらに,ニューラルネットワークを用いて各時刻ごとの誤ベクトルの削除と,欠落ベクトルの内挿を行った.また,側面からの流れの観察から得られたテイラー渦の成長過程との対応について検討した. 本研究で得られた結果を要約すると,以下のようになる. ・パッド形ジャーナル軸受の臨界テイラー数は,全周形ジャーナル軸受の場合よりも低い値になる.これには,パッド間流れの安定性が影響していると考えられる. ・パッド内流れがクエット流のときは,パッドを出た流れとパッド間の流れはほとんど混じり合わない.また,パッド間には渦が発生するが,流れは軸方向に一様で,軸方向流れはほとんど見られない. ・テイラー渦が発生すると,臨界テーラー数付近ではその渦輪はパッド間で保持される. ・テイラー渦に軸方向の攪乱があらわれると,その渦輪はパッド間では崩壊する.パッドを出た流れとパッド間の流れの一部は混合して,つぎのパッドに入る.これに対応して、パッド間には軸方向流れが発生する. ・パッド内のテイラー渦の軸方向攪乱が大きくなっても.テイラー渦には軸方向および円周方向に周期的構造が残存する.しかし,パッド間の流れは不規則になり,複雑な3次元構造を持つようになる.つぎのパッドの外周部入口では渦が発生する. 軸受測の間欠性の影響は確認できたが,パッド間隔やパッド形状を変化させて,その影響を検討する必要がある.
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