1998 Fiscal Year Annual Research Report
集束する非線形音波の焦点領域における強い音響流ジェットの発生機構とその乱流化
Project/Area Number |
10750112
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
矢野 猛 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60200557)
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Keywords | 音波 / 衝撃波 / 音響流 / 集束音波 / ジェット / 乱流化 |
Research Abstract |
凹面状の音源から放射された音波は,音源の焦点に向かって収束しながら伝播し,焦点近傍で大きな振幅をもつ非線形音波へ発展することが知られている.このとき,焦点近傍には,衝撃波の形成や音響流の励起等の非線形現象が現れる.しかし,短い焦点距離をもつ(曲率半径が小さい)音源から放射される集束音波については,理論的にも実験的にも未解明である.本研究は,このような場合の焦点領域の非線形現象を,圧縮性ナビエ-ストークス方程式を数値的に解くことによって明らかにすることを目的としている.とくに音響流と呼ばれる媒質の輸送現象に注目している.平成10年度の研究成果の中でも,これまでに知られていない大きなレイノルズ数(数10以上)のジェット状の音響流が発生することを明らかにした点は重要である.非圧縮粘性流体の安定性理論によると,このような大きなレイノルズ数のジェットは乱流化する可能性が極めて高い.さらに,このような強いジェットは,気体の密度を低下させ,温度を上昇させることも明らかになった.
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