1998 Fiscal Year Annual Research Report
シングルバブルソノルミネッセンスにおける流体力学的不安定性と超音波波形整形の効果
Project/Area Number |
10750122
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
遠藤 琢磨 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (90232991)
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Keywords | 単泡性ソノルミネッセンス / キャビテーション / 超音波 / 爆縮 |
Research Abstract |
本年度は、矩形の容器を製作し、そのテストを行うと共に、従来から使用している円筒型の容器を用いて共振モードと気泡の発光強度との関係を実験的に調べた。また、流体コードの開発については、平均原子モデルによりプラズマの電離・励起過程を記述するプログラム開発を行った。 矩形容器の製作・テストに関しては、一辺が3cmの立方体型の石英ガラス製容器を製作し、その容器を用いてソノルミネソセンスの発光を確認した。容器は2つ製作したが、容器によって共振特性が無視し得ないほど違うことが明らかとなった。容器の製作方法の改良が当面の課題であると共に、以下に示す円筒型容器による実験結果を基に、矩形容器の周辺部分等を最適化することが必要である。 円筒型容器による実験に関しては、同一の容器に対して3つの異なる共振モードにおいて、いずれのモードにおいてもソノルミネンセンスの発光を確認した。結果としては、最も低次の共振モードにおいて発光強度が最大となり、高次の共振モードにおいては発光が不安定となることが明らかとなった。高次の共振モードにおいて発光が不安定となる原因としては、容器の製作精度および容器周辺部との音響的カップリングが考えられる。複数の周波数において同時に励振するためには、容器の製作精度を高めると共に、容器と周辺部との音響的カップリングをなるべくなくす工夫が必要である。 計算コードの開発に関しては、気泡内部の温度が最高数万℃に達することから、プラズマ状態を記述できるように改良することが必要でおり、そのためのプログラム開発を行った。使用した原子モデルは、非定常状態を高速で計算する必要性から、主量子数のみを考慮した平均原子モデルを採用した。
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