1998 Fiscal Year Annual Research Report
超音速翼列のサージ点近傍に生じる流力不安定に関する研究
Project/Area Number |
10750128
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
横田 和彦 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (70260635)
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Keywords | 超音速 / 翼列流れ / サージ / 流体力学的不安定現象 |
Research Abstract |
超音速翼列のサージ領域近傍における流れ挙動を調べるために、本年度は次のことを実施した。 既存のマッハ3超音速風洞をマッハ1.5の翼列試験用に改造し、7枚の平板翼を含む翼列供試体を製作し実験を行った。その結果、翼列前後の圧力比が大きくなると、各翼に生じる衝撃波は上流へ移動し、風洞流路内に強い衝撃波を生じること、そしてその衝撃波と境界層の干渉により衝撃波直後に大きな逆流を生じることが判明した。このことから、超音速翼列流れでは、翼列前後の圧力比が大きくなると高い圧力比に押されるように各翼の衝撃波が上流へ伝播することが流力不安定の主要因である可能性が示唆された。このことは、低速ターボ機械において生じる流力不安定であるサージや旋回失速の主要因が、流れの剥離であることを考えると、その発生原因に関して著しく異なる性質を有するものと考えられる。 数値計算に関しては、2次元ナビア.ストークス方程式を基礎式とする数値シミュレーションコードを開発した。計算スキームとして衝撃波捕獲法の1つであるTVDスキームを採用した。また乱流モデルとしてはLESにおけるSGS粘性モデルを使用した。まず、シミュレーションコードの信頼性を確認するために、Starkenらの超音速翼列流れ実験データと比較検討したところ、翼面圧力分布が良い精度で一致した。またCumpstyらが用いた翼列流れモデルと数値計算結果を比較・検討したところ、このモデルは非常に良い精度で翼列流れの特性を捉えることができることが確認された。
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Research Products
(1 results)