1999 Fiscal Year Annual Research Report
摩擦低減制御下にある壁面乱流の伝熱特性に関する研究
Project/Area Number |
10750135
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
黒田 明慈 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90202051)
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Keywords | 乱流 / 摩擦低減 / 乱流制御 / 直接数値計算 / 熱伝達率 / 伝熱促進 / 圧力 |
Research Abstract |
本研究は、壁面乱流において壁面からの吹出し・吸い込みによる制御を行った場合に壁面摩擦と熱伝達率の減少に非相似な効果が現れることをシミュレーションによって確認することを目的とし、これを達成するため、壁面に向かう流体運動に対しては吹出しを壁面から離れる流体運動に対しては吸い込みを行う制御を伴った2次元チャネル内乱流および温度場の直接シミュレーションコードを作成し、計算を実行した。計算結果は3次元空間の時系列データとしてCD-RあるいはDVD-ramの大容量記憶媒体に記録し、可視化や種々の数値実験が行えるものとしてデータベース化した。このデータベースを利用した数値実験や可視化の結果、以下の知見を得た。 (1)制御を加えることによって壁面摩擦係数C_f、スタントン数ともに20%程度減少した。また、両者の比である2St/C_fは約3%上昇した。 (2)相対的に流速の大きい流体塊が壁に向かう運動に対して吹出しを行っている領域では流れ方向速度変動と温度変動の相関係数が大きく低下する。 (3)吹出し制御領域では2St/C_fが増加するが、吸込み領域がスパン方向に隣接し、ここで2St/C_fが減少する。この現象は縦渦構造の壁に向かう運動と壁から離れる運動に対応している。 (4)2St/C_fが増加する吹出し制御領域では大きな逆圧力勾配が生じており、この圧力勾配の効果によって速度場と温度場の非相似性が現れたものと考えられる。 なお、本研究で得られた知見は「壁面からの噴出し・吸込みによる摩擦低減制御下にある壁面乱流温度場の直接数値計算」として論文にまとめ、日本機械学会論文集に投稿中である。
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