1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750143
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小酒 英範 東京工業大学, 工学部, 助手 (50225413)
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Keywords | 圧縮着火機関 / 環境汚染排出物質 / 非定常燃料噴霧 / 着火過程 / レーザー誘起蛍光法 / ホルムアルデヒド / シリコンオイル粒子散乱光法 / 高速度2次元可視化 |
Research Abstract |
圧縮点火機関の効率や環境汚染物質の排出特性に大きな影響を与える非定常燃料噴霧の着火過程の解明を目的に,レーザーシート光を用いた2種類の方法により燃料噴霧の着火の様子を2次元可視化した. 本年度は,本研究で噴霧の着火過程の2次元可視化に用いるレーザー誘起蛍光法とシリコンオイル粒子散乱光法をそれぞれ個別に急速圧縮装置内の非定常燃料噴霧に適用し,それらの手法の確立を行った. まずレーザー誘起蛍光法については,これを燃料噴射圧力50-85MPa,雰囲気温度580-790Kの範囲で非定常燃料噴霧に適用し以下の知見を得た. (1) 噴霧中に発生したホルムアルデヒドの消失は,発熱反応による熱発生量が燃料の吸熱を上回る時期より遅れて開始する.消失領域は雰囲気温度が580-660Kの範囲では噴霧先端領域の噴霧周辺部であり,790Kの場合には噴霧先端の中央部である. (2) 雰囲気温度の増加はホルムアルデヒドの消失開始時期を早める. (3) 噴霧内ホルムアルデヒドからのレーザー誘起蛍光強度は雰囲気温度が580-660Kまではほとんど変化しないが,雰囲気温度が660-790Kの間で急激に増加する. (4) 噴射圧力の増加は噴霧の着火過程を全体的に早める. さらに同条件下の非定常燃料噴霧にシリコンオイル粒子散乱光法を適用し以下の知見を得た. (5) シリコンオイル粒子散乱光法で噴霧内に局所的な高温領域が観察される時期は,発熱反応による熱発生量が燃料の吸熱量を上回る時期にほぼ一致し,これはレーザー誘起系光法で噴霧内にホルムアルデヒドからの蛍光が硯察され始める時期に相当する.
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Research Products
(1 results)