1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750149
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲岡 恭二 京都大学, 工学研究科, 講師 (60243052)
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Keywords | マイクロチャネル / 対流熱伝達 / ステップ流れ / 摩擦係数 / 数値解析 / 圧縮性 / 三次元性 |
Research Abstract |
本年度には,マイクロ円管流路に関する流動実験と矩形流路の試作,数値解析による検討を行った. 実験的検討では,まず,内径5ミクロン〜150ミクロンのガラス製円管をテスト部として,これに配管などを組合せて実験装置を作製し,圧力測定実験を行うことにより実験装置の妥当性についての検証を行った.その上で,管径,管長さ,流量をパラメータとして数種類に変更し,マイクロ円管流路の摩擦特性に及ぼす影響を見た.その結果,摩擦係数の値は,管径が100ミクロン以下の場合には,層流の発達流から求まる解析値より小さく,流れのレイノルズ数に依らない一定値を示すことが明らかになった.また,マッハ数が極めて小さい場合においても,流体の圧縮性が顕著に現れることが明らかになった.引き続き,現在は作動流体を取り換えた実験を行っている.次に,マイクロステップ流路を製作するための準備段階として,エッチングプロセスを用いてシリコンウェハ上に垂直壁を有する微小な溝を試作した.その結果,流路製作に関して,おおよその目途が得られた.現在,流路形状の品質を左右するエッチングプロセスの最適条件,ならびに流路加工のためのボンディングプロセスにつき検討中である. 数値解析的検討では,現有の非定常二次元計算コードを基に,マイクロステップ流れに適応する計算コードを開発し試計算を行った(パーソナルワークステーション:新規購入設備備品を使用).その結果,クヌッセン数が大きくなると壁面摩擦係数の値が低下することなどが分かった.現在,その計算コードの三次元化と,実験的検討から示唆された圧縮性を考慮に入れるためのプログラミングを行っている.
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