1999 Fiscal Year Annual Research Report
構造系と制御系の同時最適設計法の開発:構造設計のより初期段階への適用を目指して
Project/Area Number |
10750161
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
平元 和彦 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (00261652)
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Keywords | 構造系と制御系の同時最適設計 / 混合多目的最適化問題 / 離散的設計変数 / 確率的最適化 |
Research Abstract |
制御対象の設計と制御を行うコントローラを,制御対象の設計初期段階から同時に最適設計する(構造系と制御系の同時最適設計)手法の確立を目的として研究を行った.この設計問題で最適化される設計変数は,以下のように分類される. 1.制御対象中の設計変数 (1)センサ設置数,構造部材の材質等の離散的にしか調整できない設計変数 (2)構造の形状,センサ配置等の連続的に調整可能な設計変数 2.コントローラ中の設計変数 (1)PID制御の各ゲイン,LQ制御問題における二次形式評価関数の重み行列 これらの設計変数を同時に最適化する問題は,いわゆる混合多目的最適化問題となる. この問題に対して,従来提案されてきた傾斜法に基づく構造系と制御系の同時最適設計の手法が適用可能かどうか検討した.その結果,従来の設計手法の単純な応用では,本問題に対して,実用的な計算量で最適な設計変数を求めることが不可能であることが分かった.そこで,従来手法とは異なる最適化手法として,最適化の過程に確率的選択を導入した確率的最適化手法の適用を提案した.本研究では,確率的最適化手法の一つである"擬似焼きなまし法"を用いて同時最適設計を行うことを提案した.提案する設計手法を確認するための設計例として,はり状構造物の同時最適設計問題を取り上げ,良好な結果を得た.以上の研究成果は論文にまとめて投稿し,掲載が決定され,現在印刷中である. さらに,本最適設計手法の有効性を,片持送水管の制御系設計に適用した.本問題は,最適化される目的関数が,設計変数に関して不連続で,傾斜法の適用が不可能なケースであるが,提案手法により,従来より系が不安定となる限界流速を約2倍にする制御系を設計することができた.この結果は,論文にまとめて投稿し,既に掲載されている.
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Research Products
(2 results)