1998 Fiscal Year Annual Research Report
線形行列不等式に基づく構造系と制御系の統合最適設計法の構築と実用化
Project/Area Number |
10750166
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梶原 逸朗 東京工業大学, 工学部, 助手 (60224416)
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Keywords | 振動 / 制御 / 最適設計 / モード解析 / 多体モデル / スケジューリング制御 |
Research Abstract |
本研究では、先端情報機器に要求される諸性能を達成すべき新しい統合最適設計法を提案・開発し、簡易モデルに対するシミュレーションおよび実験を行い、本手法の有効性を検証した。統合設計における構造系の設計変数としては、対象とする構造の形状、寸法とした。制御方法は、周波数領域および時間領域の設計を包括的に扱うことができる線形行列不等式に基づく方法を採用した。すなわち、制御性能の指標として、システム方程式における外乱から制御量までのH_2ノルム、閉ループ系の極配置、さらにロバスト安定性に関しては伝達関数行列のH_∞ノルムを採用し、要求される諸性能を線形行列不等式を用いて統合的に記述する。そして、構造系に要求される小型化・軽量化を最適化問題の中に導入する。構造系と制御系の各特性、および統合系としての諸性能を用いて、最適化問題を記述する。ここで定義した最適化問題を、逐次二次計画法とLMIソルバーを結合したアルゴリズムにより解き、最適な構造系と制御系と同時に決定する手法を提案・構築した。さらに本研究では、非線形性を有する柔軟で多体の時変構造物をモード座標に基づいてモデル化する手法、およびスケジューリング制御系および構造系の統合設計法を開発した。本手法では、スケジューリング制御系を構成するための設計点と構造系の形状を統合的に最適化することにより、運動制御性能と振動制御性能を同時に向上させることを可能にしている。そして、動的シミュレーションおよび実験により、提案したモデル化手法と統合設計法の有効性を実証している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Guo,Z.,Kajiwara,I.,et al: "Robust Identification and Control Design for Truck Cab Model Device" JSME International Journal. 41-2. 171-177 (1998)
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[Publications] 梶原逸朗,福田将直,他: "モード解析と線形行列不等式に基づくフィードバック音響制御" 日本機械学会論文集(C偏). 64-621. 1668-1675 (1998)
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[Publications] 梶原逸朗,山家勝裕,他: "混合H_2/H_∞制御に基づく非線形時変システムの一制御手法" 日本機械学会論文集(C偏). 64-626. 3839-3846 (1998)
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[Publications] Kawabe,Y.,Kajiwara,I.,et al: "Optimization for Vibration Problems:Junction Layout of a Combined Structure under Oscillation" Proceedings of DETC 98, 1998 ASME Design Engineering Technical Conference. CD-ROM. 1-8 (1998)
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[Publications] Kajiwara,I.: "Simultaneous Optimum Design of Structure and Control System" SICE'98,第37回学術講演会予稿集. 303-306 (1998)