1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750168
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神谷 恵輔 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (50242821)
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Keywords | クラック / 動的応答 / 検出 / はり / 定常振動 / 数値シミュレーション / 実験 |
Research Abstract |
本研究では,機械に発生したクランクの位置および大きさを,稼働中の動的応答からオンラインで検出できる手法を開発するための基礎的な検討を目的して,機械の基本的な構成要素であるはりを取り上げ,振動中のはりの応答データから,発生したクラックの位置および大きさを検出する手法について検討を行った. 本年度は,常にクラックが開いているオープンクランクを考えた.まず,クランクをもつはりの数学モテルについて検討した.基本的には有限要素モデルでモデル化し,クラックをもつ要素は剛性が一様に減少するものとした.次にクラックの位置と大きさを検出するアルゴリズムについて考えた.ここでは上記のようにモデル化したはりの定常振動応答と実際の応答が最もよく一致するようにクラックすなわち剛性の減少位置と大きさを定める方法を提案した.検出に用いる応答データは,はりのたわみと曲げモーメントとした.これらは変位計,加速度計,ひずみ計などにより直接あるいは間接に比較的容易に測定できる量である.提案した検出法の有効性を,まず,数値シミュレーションにより検討した.その結果,提案した検出法でクラックを正しく検出できることを確かめた.またこの方法は測定データに多少ノイズが含まれていてもクランクを正しく検出できることがわかった.最後に実験装置を作成し,実験を行った.ここでははりに切り込みを入れ,これをクラックが生じたはりとみなした.このはりを加振し,その応答データを測定した.測定には加速度計およびひずみ計を用い,これらのデータからはりのたわみおよび曲げモーメントを求めた.こうして収集したデータから,提案した検出法によりクラックと位置と大きさの検出を行った.その結果,提案した検出法で実際の場合にも正しくクラックが検出できることを確かめた.
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