1998 Fiscal Year Annual Research Report
新素材複合材料の力学的特性推定システムの構築と材料最適化に関する研究
Project/Area Number |
10750176
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 佳樹 北海道工業大学, 工学部, 助教授 (50233151)
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Keywords | 繊維強化複合材料 / 力学的特性 / 推定システム / ニューラルネットワーク / 材料最適化 / 構造最適化 |
Research Abstract |
本研究では繊維強化複合材料等に代表される新素材複合材料の力学的材料特性推定システムの構築と材料最適化に関する研究を実施する.特にここではFRPプリプレグやフィラメントワインディングにより成形される一方向繊維強化複合材料を研究の対象とし,初年度である平成10年度はこれらの複合材料の弾性定数を推定するシステムの構築を試みた. 具体的にはこれらの複合材料を構成する繊維や母材の弾性定数や繊維の繊維含有率等から,構造計算に用いる複合材料のマクロな弾性定数を推定するシステムをニューラルネットワークにより構築した.ネットワーク構築においては一般的に関数再現性を有する階層型ネットワークを用いて,バックプロパゲーション法を用いてネットワークの学習を行った.なお,このネットワーク学習に用いる教師データには,実際の試験片を用いた引張実験等により教師データを作成して適用する予定であるが,ここではネットワークの有効性を検討することを第一に考えて,これまでに提案されてきている繊維強化材料に関する複合則を用いて教師データを作成した.そして,数値計算によりネットワークの有効性を検討した結果,入出力間には強い非線形性があるものの,ニューラルネットワークを用いることにより工学的に十分な範囲で材料特性の推定が可能であることがわかった.今後はニューラルネットワークを用いた場合と応答曲面を用いた場合の比較・評価,ならびに材料特性の最適化を含めた構造最適化について研究を継続する予定である. なお,これらの研究成果の一部については今後日本機械学会の講演発表会等において公表する予定で準備を進めている.
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