1998 Fiscal Year Annual Research Report
保全性を考慮した分散制御器設計による宇宙構造物の能動振動制御
Project/Area Number |
10750177
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 亨 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (80265933)
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Keywords | 振動制御 / アクティブ動吸振器 / 宇宙構造物 / アダマール重み制御 / 多入力外出力系 / 保全性 / 分散制御器 |
Research Abstract |
柔軟構造物に対するアクティブ振動制御技術における重要な課題の一つに、宇宙構造物の大型化に伴う分散制御系の導入とこれに対する信頼性、特に一部の制御系が故障したときの全系の安定性すなわち保全性の確保の問題がある。本研究では、通常のロバスト制御理論を拡張した「アダマール重み制御理論」を適用することにより保守性を回避し、保全性を考慮した制御器を設計する手法を提案することを目的とする。 この目的に添い、制振装置として内力のみを利用するプルーフマス機構を用い、これを複数個搭載した宇宙構造物を制御対象として制御器設計手法の有効性を検討した。 まず最初に、現有の計算機を用いた数値計算により、提案する制御器設計手法の適用による保全性の向上に関する比較検討を行なった。しかし、現時点では従来の方法により設計された制御器とほぼ同等の性能しか得られておらず、手法としての優位性を確認できていない。現在この理由を調査中であるが、制振力として内力のみを利用している点、また地上構造物と異なり宇宙構造物は並進モードを有するため原点極が存在し、これが制御器低次元化の際の障害となっている点の2つが原因と考えられる。そこで現在、申請した予算により性能の向上した計算機を購入し、制御器低次元化を行わない場合の制御性能について検討中である。 一方、数値計算に平行して制御実験の準備も進めている。申請した予算により購入した実験用パソコンを用いて制御システムを構築すると共に、同予算により購入したソフトウエア・プリンタを用いて実験構造物システムの設計を進めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Watanabe: "A Design Method of a MIMO Controller Taking Account of Integrity" Proc.of 4th Int.Conf.on MOVIC. Vol.2. 443-448 (1998)
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[Publications] T.Watanabe: "Application of Hadamard-Weighted Control Theory to Structural Control Problem" Proc.of First Korea-Japan Symp.of Frontlers in Vibration. 11-12 (1998)