1999 Fiscal Year Annual Research Report
フレキシブルマニピュレ-タの軌道と形状の最適化に関する研究
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10750178
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
李 承宰 早稲田大学, 理工学部, 助手 (60301579)
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Keywords | フレキシブルマニピュレータ / 最適形状 / 最適軌道 / 同時最適化 / 駆動エネルギ / 軌道の偏差 / 作業時間 / パレート解 |
Research Abstract |
ロボットマニピュレータの運動性能を向上させ,かつ消費エネルギーを削減するためには,アームを軽量化することが必要である.軽量化されたフレキシブルロボットマニピュレータにおいては,一般に固有振動数が低く内部減衰も小さいために,わずかの外乱によって振動の励起や,軌道追随性の低下などが起こりやすく,その制御問題が重要な課題となっており,多くの研究がなされている.しかしその多くは制振のための制御系の付加的設計に関する研究が主となっている.しかし,フレキシブルロボットマニピュレータの軌道および形状を最適化することにより,制振および軌道追随性を向上させることが可能ならば,付加的な制御系の設計に加えて,フレキシブルロボットマニピュレータの運動性能のさらなる向上が期待できる.そこで本研究では,過去筆者らによって提示された剛体ロボットマニピュレータのための最適軌道設計法を基礎としたフレキシブルマニピュレータの最適軌道設計法を新たに提示した.特に本年度は,前年度行った理論解析の有効性を立証するための実験を行いその有効性を確かめた.実験装置としては,マニピュレータの各関節にAir Padを取り付け,無重力空間を模擬したシステムを目ざした.Air Padからは圧縮空気を出し,摩擦を除去した.また,CCD Cameraからの映像は画像処理装置でマニピュレータの位置情報に変換されComputerに入力され,Computerでは画像処理装置とEncoderからの信号を用いて,Motorの駆動のための信号を出力するシステムとなっている.解析で求められた最適軌道にマニピュレータを追従させるために駆動トルク法を用いて制御を行った.実験からも最適軌道を用いることで,駆動エネルギの削減と軌道追従度の向上,さらにアームの振動が押さえられることが確認され,提示したフレキシブルマニピュレータの軌道と形状の同時最適化手法の有効性が示された.
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[Publications] 李 承宰: "フレキシブルマニピュレ-タの軌道と形状の同時最適化"日本機械学会論文集C編. 65-638. 4084-4092 (1999)
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[Publications] 李 承宰: "フレキシブルマニピュレ-タの軌道と形状と制御の同時最適化"日本機械学会,第9回設計工学・システム部門講演会講演論文集. 557-560 (1999)
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[Publications] 李 承宰: "フレキシブルマニピュレ-タの軌道と形状の同時最適化"第15回宇宙構造・材料シンポジウム講演論文集. 80-83 (1999)