1998 Fiscal Year Annual Research Report
大規模機械システムインタフェースのユーザ適合化に関する基礎研究
Project/Area Number |
10750179
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 信 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00243098)
|
Keywords | 大規模システム / インタフェース / カスタマイズ / マニピュレータ / 遠隔操作 |
Research Abstract |
本年度は以下の二つの内容について検討を行った。 1. 従来の大規模システムのインタフェースのカスタマイズ機能に関する調査 2. プロトタイプインタフェースを用いたカスタマイズの形態に関する検討 1.に関しては、原子炉プラント運転員、航空機のパイロット、及び実験用加速器のオペレータという、大規模システムに関連する広範囲な分野において現役として働き、高い熟練度を有している方々からの聞き取り調査を行った。その結果としては、大規模複雑システムのインタフェースにおいては、ほとんどカスタマイズ可能な機能は準備されていないと言うことが明らかになった。これは、チームにより制御されるシステムにおける情報共有の問題、訓練過程がカスタマイズを前提としていないという点が大きな原因であると考えられる。しかしながら、聞き取りを通じて、カスタマイズが透明性を持ち、かつ簡単に行えその利点が十分認識できる場合は、大規模システムにおけるユーザ適合化の意義は十分あるという認識にいたることができた。重要なポイントは、対象システムに対する、人間側からの要求を明確にし、それに対して適切なカスタマイズのための選択肢を提供することである。 2.に関しては、遠隔操作マニピュレータのインタフェースと、実験用の加速器のインタフェースを対象にして、プロトタイプインタフェースを作成し、ユーザ適合化という観点から検討を行った。遠隔操作マニピュレータのインタフェースに関しては、操作デバイスの種類とカメラ操作という観点でユーザに自由度を与え実験を行った結果、ユーザ毎の適合過程に相違が観測され、システムのカスタマイズの有効性が示された。実験用の加速器のインタフェースに関しては、LabVIEWを利用してプロトタイプインタフェースを作成しその有効性の検証を行っている段階である。研究の第一段階としては、加速器運転員のタスク分析を行い、熟練運転員の操作の形態の構造化を行った。来年度は、更にプロトタイプインタフェースを実際の利用してもらい、ユーザの意見を反映させつつ適応を行う過程に関して検討を行う予定である。
|