1998 Fiscal Year Annual Research Report
MRI誘導下穿刺手術支援マニピュレータの機構と制御
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10750183
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
正宗 賢 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00280933)
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Keywords | 医療用ロボット / MRI / 脳神経外科 / マニピュレータ / 歪み補正 / 滅菌 |
Research Abstract |
本研究では、磁気共鳴画像(MRI)下での新しい外科治療の実現を目指し、MRI情報を用いて高精度かつ安全に動作する穿刺手術支援マニピュレータの開発および制御の研究を行う。滅菌・清潔性の確保や強磁場の存在のため、既存のロボット技術を直接用いることは出来ない。また、磁場の歪みが生じるため、位置決め動作を精密に行う際には歪み補正を行う必要がある。本年度は、以上を踏まえ、MRI誘導下穿刺マニピュレータの試作を重点的に行う。特に、1)滅菌・清潔性を確保でき、かつ剛性を保つ機構実現2)画像歪み補正法について検討を行う。 本年度は、マニピュレータの開発を重点的に行った。現在使用可能なMRI装置の空間的な制約も考え、脳神経外科手術の腫瘍の生検を行うための穿刺手術の支援を前提とした。全6自由度(位置決め:3自由度、方向決め:2自由度、穿刺:1自由度)を有し、穿刺軸以外は患者の頭部と干渉しない構造とした。滅菌・洗浄性の問題を解決するため、駆動機構部とアクチュエータが分離可能である機構を採用した。これにより、滅菌領域と非滅菌領域が明確となり、実際の臨床に用いることが出来るようになった。また、強磁場下での使用を考慮し、アクチュエータには非磁性超音波モータを用い、本体部材は全て非磁性金属(アルミニウム、非磁性ステンレス)を用いた。精度評価実験を行い、位置決め誤差最1大0.08mm、バックラッシュも最大0.21mmと十分な精度が得られた。MRI内にマニピュレータを設置し、評価格子を用いて歪みを計測した結果、無補正では最大で6mmの歪みが生じたが、評価格子を細分割し各領域において線形補正を行った結果、最大2.1mmの歪みに抑えることが出来た。次年度はMRI画像から直接数値を取り出し駆動を行うソフトウェアの開発を行う。また補正法も磁場勾配のモデルの作成をし、より精度を高める補間処理アルゴリズムを考案する。
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