1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750203
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
林 泰弘 茨城大学, 工学部, 講師 (40257209)
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Keywords | 地方供給電力供給 / 最適系統構成 / 送電損失 / 供給信頼性 / 二分決定グラフ / 組合せ最適化 |
Research Abstract |
本年度は、健全時と事故時を考慮した地方供給電力系統の運用上最適な系統構成の決定手法に関する研究を実施した。すなわち、本研究では、地方供給電力系統の系統構成を決定する問題を、(1)健全時に供給支障がなく、(2)変電所で単一変圧器事故が生じた時でも供給支障を発生させず(ただし、供給支障解消のための系統操作として一段負荷切り替え可)、(3)放射状系統で構成される、という制約の下で系統全体の送電損失が最小となるように遮断器の開閉状態を決定する組合せ最適化問題として定式化し、既約順序付き二分決定グラフに基づく解法を開発した。既約順序付き二分決定グラフとは、論理関数をコンパクトに効率良く表現したグラフであり、その主な特徴は、1)変数順序を固定すれば、論理関数の標準形となる点、2)多くの実用的な論理関数が現実的な節点数で表現できる点、3)論理関数に対する演算が表現のサイズに比例する時間で行なえる点、にある。開発した手法では、論理制約式で定式化した地方供給系統構成決定問題の制約を既約順序付き二分決定グラフで表現し、そのグラフ上において制約を充足する経路の集合の中から送電損失が最小となる経路(最適系統構成)を探索している。開発手法は、厳密解法であるため、得られた解は最適解であることが保証されるという利点を有する。なお、幾つかのモデル系統で数値計算を行い、開発手法の妥当性を検証した。この研究を通して得られた成果は、電気学会で口頭発表している。
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Research Products
(1 results)