1998 Fiscal Year Annual Research Report
流れと熱移動を考慮した渦電流式制動装置の電磁界解析法の開発
Project/Area Number |
10750211
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村松 和弘 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (30263627)
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Keywords | 磁界解析 / 流体解析 / 熱解析 / 連成解析 / 運動座標系 / 渦電流式制動装置 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本研究の目的は,渦電流式制動装置の最適設計を,運転時の装置内の温度上昇も考慮して行うために必要となる熱・流体・電磁界併用解析法を開発することである.本年度の成果を要約すれば,以下のようになる. 1. 運動座標系を用いた流れの解析法の開発 渦電流式制動装置で取り扱う流体は空気であるため,流体の近似法として,非圧縮性ニュートン流体で温度差により浮力の効果を考えるブーシネスク近似を行った場合の運動座標系による定式化を行い,ソフトウェアを開発した.その際,非圧縮性の考慮法としては,ペナルティー法を用い,解析精度の観点からペナルティー定数の最適値の検討も行った. 2. 運動座標系を用いた熱移動の解析法の開発 熱伝導方程式を運動座標系を用いて定式化し,ソフトウェアを開発した. 3. 連成解析法の開発 上記で開発した流れと熱移動の解析法および電磁界解析法を連成する場合のアルゴリズムについて検討し,ソフトウェアを開発した.その際のアルゴリズムとしては,流れと熱移動の解析の時定数は電磁界解析よりもかなり大きいため,流れと熱移動の解析は過渡解析法であるステップ・バイ・ステップ法を用い,電磁界解析は定常解析とした. 4. 簡易モデルを用いたソフトウェアの検証 上記で開発された連成解析法の解析精度を検証するため,誘導加熱装置を想定した物体が静止している検証用モデルを製作し,磁束や温度分布の解析結果と実験結果を比較検討した.その結果,空気の自然対流を考慮すれば,装置の温度上昇に関してほぼ妥当な結果が得られることを示した. 平成11年度は,本年度開発したソフトウェアに乱流モデルを導入するなどの改良を行い,物体が高速回転する場合の解析方法について検討を行い,実際の渦電流式制動装置に適用する予定である.
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[Publications] K.Muramatsu: "Magneto-Thermal-Fluid Analysis Taking Accoune of Natural Convection Using Laglange Coordinote System" Proceedings of the CEFC Conferencce. 1998. (437)
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[Publications] 村松 和弘: "自然対流を考慮した電磁装置の磁界・熱・流体併用解析" 日本流体力学会第9回計算流体シンポジウム. 395-396 (1998)
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[Publications] 村松 和弘: "自然対流を考慮した磁界・熱・流体併用解析" 電気学会静止器・回転機合同研究会資料. SA-98-14,RM-98-78. 75-80 (1998)