1998 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導体を用いた繰り返し動作可能なオープニングスイッチの開発
Project/Area Number |
10750214
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
末廣 純也 九州大学, システム情報科学研究科, 助教授 (70206382)
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Keywords | 超伝導線 / クエンチ / パルスパワー / オープニングスイッチ |
Research Abstract |
本研究の目的は、高温超伝導体のクエンチ現象を応用して、繰り返し動作可能なオープニングスイッチを開発することである。今年度は、現段階で素線レベルでの性能が高温超伝導体よりも優れている金属系の超伝導材料(母材CuNi、超伝導材料NbTi)を用いて、パルス電流通電時の超伝導線のクエンチ特性を調べ、誘導性エネルギー蓄積型パルスパワー発生回路設計への適用可能性を検討した。以下に得られた主な結果を記す。 1. LCR放電回路によって発生させた、立ち上がり時間ms、電流ピーク値が100Aオーダのパルス電流を超伝導素線に通電し、電流瞬時値が臨界値を越えるとクエンチが発生することを確認した。 2. 超伝導線クエンチ時の抵抗時間変化率は、パルス電流のピーク値と超伝導線の長さの増大によって増加することがわかった。 3. 超伝導線が長くなるほど、クエンチ時の温度上昇は抑制され、スイッチの繰り返し動作にも有効であることをシミュレーションにより明らかにした。 4. LCR放電回路の回路定数を変更し、より高い周波数で振動する電流波形を用いてスイッチ動作を行って結果、より高速なオープニング動作が実現できることがわかった。現時点で達成できた性能は、長さ2mの線材で、オフ抵抗10Qオーダー、抵抗変化率10^5Ω/sである。
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Research Products
(1 results)