1998 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能全反射X線分光装置の開発及び薄膜界面の構造解析
Project/Area Number |
10750221
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
南 伸昌 宇都宮大学, 教育学部, 助手 (80292572)
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Keywords | 特性X線 / X線分光 / 反射高速電子回折 / 金属薄膜 / 固体表面 |
Research Abstract |
高分解能X線分光を行うためには試料表面からの特性X線を検出できる装置構成になっている必要がある。ここでX線の検出に全反射の条件を用いると感度は向上するが異なるエネルギーのピーク強度を単純に比較することが出来ない。そこで先ずは強度を犠牲にし、特性X線強度の出射角依存性が弱くなる5度以上の出射角での、表面からの特性X線の検出を半導体検出器を用いて行った。 単結晶試料表面として、金属薄膜成長用基板としての研究例が多数有り清浄化の容易なMgO(100)表面を用いた。この表面に金薄膜を成長させ、膜厚計を併用することにより当装置の配置で表面に吸着した十分の一層以下の金属の特性X線を検出できることを確認した。また反射高速電子回折の観察も併せて行い、金がこの表面上で取る多重双晶粒子を含む様々な構造の解析を行った。銅についても同様の実験を行っており、同じ元素でも構造の違いがどこまで特性X線のエネルギーの違いとして検出できるのかというところも調べていく予定である。 高分解能X線分光系は、超高真空中に二段の回折格子(ステッピングモーターと二段の減速機で制御)とシンチレータとを置き、ビューポート越しに光電子増倍管で計測することにした。ステッピングモーター及び減速機が仕様通りの角度分解能を出すことは確認済みである。現在その他の各部品の発注を行っているところであり、納入され次第上記装置に取り付け動作確認を行う予定である。
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