1998 Fiscal Year Annual Research Report
極端紫外光によるアモルファス半導体の内殻電子励起効果の研究
Project/Area Number |
10750227
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
林 浩司 岐阜大学, 工学部, 助教授 (00238106)
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Keywords | アモルファス半導体 / 極端紫外光 / 内殻電子励起 / 光誘起現象 / 光収量 / 光劣化現象 / カルコゲナイドガラス / 光黒化現象 |
Research Abstract |
アモルファス半導体は、光によって実に様々な光誘起現象を引き起こし、光に非常に敏感な材料である。それ故に光誘起現象のメカニズムが複雑で未だ不明な点が多く、光デバイス応用への道がなかなか開かれていない。本研究では、広範囲なエネルギー領域にわたり光誘起現象の性質を捉えることは重要であると考え、これまでほとんど研究がなされていないシンクロトロン放射より得られる極端紫外光を用い、内殻電子の励起にともなう光誘起現象の研究として、極端紫外領域の光に対する材料の性質を調べ、光誘起現象のメカニズム解明の糸口をつかむことを目的としている。 本研究では、研究対象としてまず真空蒸着法で作製したカルコゲナイド系アモルファス半導体に極端紫外領域の光照射をし、その光収量及び光電流変化をその場観察することにより光照射に対する性質を評価した。本年度の段階で得ちれた大きな成果としては、極端紫外領域の光照射において、その光収量ならびに光電流変化過程が、従来調べられているバンドギャップ相当の光照射時に見られる光劣化に伴う変化(光電流においては光誘起欠陥生成に伴い減少する。)とまったく異なる変化をすることを新たに見いだしたことである。さらに、光収量と光電流間にもその変化の進行過程に相違が見られている。現在、この現象をこれまでに報告のない新たな光誘起現象として位置づけ、照射する光エネルギー依存性や光収量と光電流間の変化過程の相違、光黒化現象及び光構造変化との関連について検討を始めているところである。
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