1999 Fiscal Year Annual Research Report
人工ピンニングセンター導入型超伝導多芯線の臨界電流密度向上とその設計に関する研究
Project/Area Number |
10750237
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
三浦 大介 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (50281241)
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Keywords | NbTi超伝導線材 / 人工ピンニング / コヒーレンス長 / ピンニング力 |
Research Abstract |
研究者は超伝導材料の高臨界電流密度化を目的として、超伝導体内部に人工的にピンニングセンターを導入する手法を用いた新しい材料の開発を行っている。この手法によりNbを人工ピンとしたNbTi超伝導線材における低中磁界領域での高Jc化が達成されているが、高磁界においてはJcが劣化する現象が観測されており、その原因の解明、及び改善が大きな課題となっている。本研究では、その原因の一つとして考えられる近接効果による上部臨界磁界の劣化に着目し、これを抑えるために常伝導コヒーレンス長ξnの異なるCuNi(ξn〜25nm)とCu(ξn〜300nm)を常伝導型人工ピンとして導入し、それらを量子化磁束サイズ、及びその間隔に適合した数十ナノ〜数ナノメートルスケールで導入されたNbTi超伝導極細多芯線材の設計・製作を実施した。そしてピン力Fpの温度・磁界依存性を測定し、Nb人工ピン線材とのピンニング特性の比較検討を行った。各線材のFpの磁界依存性は、従来から観測されているように超伝導型Nbピン線材では人工ピンを導入しない線材に対して3倍ものピン力の向上が見られ、さらにピンサイズの減少に伴ってピン力のピーク位置が高磁界にシフトする傾向が測定された。一方、CuNiピンは従来型と比べピン力は向上しているが、Nbピンほどは大きくなく、ピンサイズを減少させるとピン力は上昇するが、ピークの位置はNbピンとは逆に低磁界側にシフトする傾向が見られた。さらにCuピンの場合、ピン力の効果は小さく、ピン力のピークはブロードな曲線を描いている。有効上部臨界磁界Bc2*の測定結果、Cuピンを導入した線材が一番小さい値を示し、CuNi導入によるBc2*の低下は比較的小さかった。一方、TcはCuNi,Cuピン線材ともに従来型,Nbピンと比較して大幅に低下した。今後、ピン材料の物性の違いを踏まえたさらに詳しい解析を行う。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Zhu Yun, 大久保貫裕、三浦大介、伊藤大佐: "人工ピン型NbTi交流用超電動線材のピンニング特性に及ぼすピン材料の影響(4)"1999年度春季低温工学・超電動学会講演概要集. 第60. P84-P84 (1999)
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[Publications] Zhu Yun, 大久保貴裕、早川水一、三浦大介: "人工ピン型NbTi交流用超電動線材のピンニング特性に及ぼすピン材料の影響(5)"1999年度秋季低温工学・超電動学会講演概要集. 第61. P254-P254 (1999)
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[Publications] 大久保貴裕、Zhu Yun, 三浦大介、伊藤大佐: "人工ピンとしてNbを導入したNbTi多芯線の特性(1)"1999年度春季低温工学・超電動学会講演概要集. 第61. P83-P83 (1999)
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[Publications] O.Miura, D.Ito et al.: "Enhancement of Critical Current Density in Ultrafine Multifilamentary Nb-Ti Superconductors with Nb Artificial Pins for Low-field A.C.Applications'"16^<th> international conterence on magnet technology, Sept 26-Oct 2,1999, Ponte Vedra Beach FL USA, to be appeared on IEEE Trans. on Applied Supercond. (2000)
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[Publications] O.Miura, D.Ito et. al.: "Flux Pinning Strength of Difference Superconducting Artificial Pins in Nb-Ti Multifilamentary Composites"16^<th> international conference on magnet technology, Sept 26-Oct 2, 1999, Ponte Vedra Beach FL USA, to be appeared on IEEE Trans. on Applied Supercond.. (2000)