1998 Fiscal Year Annual Research Report
動的チャネル割り当てを応用した空間分割多元接続(SDMA)方式
Project/Area Number |
10750258
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大鐘 武雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10271636)
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Keywords | 移動通信 / チャネル割り当て / ARP / SDMA / セクタ |
Research Abstract |
陸上移動通信では,周波数利用効率の向上のためにサービスエリアを複数のセルに分割するセルラ方式が適用されている.通常は,使用できるチャネルをあらかじめそれぞれのセルに割り当てしておく固定チャネル割り当てが行われている.しかし,トラフィックの空間的な不均一性により,あるセルではチャネルが不足し,あるセルでは余剰が生じるような場合が生じてしまう.これを解決する手法として,動的にチャネルを割り当てる手法が提案されている.中でもARPは,セル内を自動的に同心円上に分割し,内側の部分では干渉条件の厳しいチャネルを,また外側では干渉条件の緩いチャネルを割り当てることにより (再利用分割),すべてのチャネルがほぼ同等のCIRを持つように配置できる.このため,周波数利用効率が大きく向上できる特徴を持つ. 一方,同一セル内の複数のユーザに同一チャネルを割り当てるSDMA方式も,周波数利用効率の改善効果が著しい.そこで,同一セル内の干渉除去のためにセクタアンテナを用いたSDMA方式と,ARPを組み合わせたシステムについて,特性の検討を行った.その結果,SDMA方式とARPを組み合わせた場合,他セルからの干渉条件がより厳しくなるため,ARP独自の自動的に再利用分割を行う機能が低下し,単にセクタアンテナをARPに適用した場合よりも若干特性が劣化することがわかった. しかし,再利用分割が行われないということは,処理の複雑なARPを適用する必要性が少ないということであり,SDMA方式を適用する場合には簡単な固定チャネル割り当てで十分であることが予想される.今後は,固定チャネル割り当てとSDMA方式との組み合わせについても検討していく予定である.
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Research Products
(1 results)