1998 Fiscal Year Annual Research Report
高速通信網におけるマルチメディアトラヒック制御法に関する研究
Project/Area Number |
10750275
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
滝根 哲哉 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (00216821)
|
Keywords | 長期依存性 / M / G / c / c型入力 / 一般化プロセッサシェアリング / エンド・エンド間遅延 / パケット損失 / 多元トラヒックモデル / 結合待ち行列長分布 |
Research Abstract |
1. 長期依存性をもつトラヒックに対する新しいモデルとしてM/G/c//c型入力モデルを取り上げ、発生データ量に関する自己相関係数をオン、オフ期間が一般分布に従う場合について考察した。従来のモデルとは異なり、このモデルは入力側の帯域を明示的に指定できる利点がある。解析の結果、オンあるいはオフ期間の少くとも一方の2次積率が発散する場合、M/G/c//c型入力モデルは長期依存性を持つことが分かった。 2 また、各ノードで一般化プロセッサシェアリング方式を用いた統合サービスパケット網において、エンド・エンド間の最大遅延に制約のあるトラヒックを決定的帯域割り当て法を用いて収容する際に必要となる、リーキーバケットならびにノードでのバッファサイズを計算するアルゴリズムを考案した。さらに、これを用いて、有界なエンド・エンド間の遅延とパケット損失のないことを保証する呼受付制御方式を提案した。さらにGOP-CBR MPEG2を例として取り上げ、数値実験を行った。 3 さらに、トラヒック制御を受けることにより、長期依存性が取り除かれたトラヒックをネットワーク内で多重化した際の特性を知るための基本モデルとなる、複数のパケット長分布が異なる到着流をもつ単一サーバ待ち行列の待ち行列長分布に対する解析を行った。この待ち行列モデルは、待ち行列長がマルコフ連鎖を構成しないため、従来から解析が困難なモデルとして知られていた。今回、このモデルにおける任意時点での待ち行列長分布が満たす式の導出に成功した。さらに、この式を元に、各到着流からのパケットの結合待ち行列長分布を数値計算するためのアルゴリズムを確立した。
|