1999 Fiscal Year Annual Research Report
多元情報通信システムの符号化に関する理論的検討とその応用
Project/Area Number |
10750281
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大濱 靖匡 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (20243892)
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Keywords | 多元情報源符号化 / 多元通信路符号化 / 確立的符号化 / 乱数生成問題 / 暗号通信システム / 情報セキュリティ / 安全性解析 / 多端子乱数伝送・生成 |
Research Abstract |
本研究は,多元情報通信システムの符号化に関する様々な理論的成果,未解決問題を再検討し,理論的整備を行なうとともに,実際の多端子情報通信技術への応用を目指した理論の拡張を行なうものである. 以下,本研究の本年度の研究実績の概要を述べる. 1.乱数生成問題についての研究: あるランダム性をもつ系列(コイン乱数列)を変換して,決められたランダム性を持つ系列(ターゲット乱数列)を生成する問題を乱数生成問題という.乱数生成は,情報セキュリティ技術と関数が深い.特に多元通信路の枠組を利用した暗号通信システムの符号化および安全性解析において,乱数を利用した通信路符号化は重要な役割を果たす.本研究では,固定長のコイン乱数系列を用いて,固定長のターゲット乱数系列を近似する問題を研究し,近似誤差の乱数の系列長を大きくしたときの漸近的振舞いについて幾つかの結果を得た. 2.多元通信システムの枠組を利用した乱数伝送・生成問題の研究: 多元情報源符号化システムの代表的なものの一つとして,2地点で発生した相関を有するデータ系列を各地点で独立に符号化し,これを情報処理センターへ送るというものがある.情報処理センターでは,送られた符号データに基づく情報処理が行なわれる.本研究では,情報処理センターで行なわれる処理の一つとして与えられた符号データをコイン乱数列と見なし,これを加工して所望の分布に従うターゲット乱数列を近似するという状況を考えた.これは,多端子情報伝送と,乱数生成の双方に関わる新しい興味深い問題を提起する.本研究では,このような多元通信システムの枠組における乱数伝送・生成問題を考察し,幾つかの結果を得た.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yasutada Oohama: "Multiterminal Source Coding for Correlated Memoryless Gaussian Sources with Sereral Side Informations at the Decoder"Proceedings of 1999 IEEE ITW,Kruger National Parle,Sauth Africa. 100-100 (1999)
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[Publications] 大濱 靖匡: "[招待論文]情報理論における乱数生成問題"電子情報通信学会技術研究報告. IT-99-54. 1-12 (1999)
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[Publications] 大濱 靖匡: "Slepian-Wolf型多端子乱数生成問題について"第22回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. 205-208 (1999)
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[Publications] 大濱 靖匡: "Slepian-Wolf型多端子乱数生成問題における誤差指数"第22回情報理論とその応用シンポジウム予稿集. 209-212 (1999)