Research Abstract |
本年度は,動画像トランスコーディング方式において,データベースシステム,或は,ネットワーク伝送時の高度情報変換を睨んで,H.261準拠のトランスコーディングアルゴリズムを基に,MPEG-2符号化方式を考慮したアルゴリズムについて検討した.また,その際に利用する,新たなスケーラビリティデータの構成方法の概念を提案し,また,その実現性について明らかにした.特に,MPEG-2準拠の時間スケーラビリティと空間スケーラビリティの概念を組み合わせた,新しいハイブリッドスケーラビリティの概念(スケーラビリティプロファイル)と機能化マルチメディア情報を生成する際の情報記述方式について検討した. 動画像情報符号化する際の新たな構造化概念として,5つのプロファイルを導入した.1.品質プロファイルは,画像情報では,空間解像度,サイズ,時間,周波数,符号化歪み,階調などの品質選択が可能であることを示し,2.表示プロファイルは,画像情報における視点の選択,文字のフォント(種類,大きさなど)の選択,また表示領域,位置,時間に関する選択が可能であることを示す.3.内容プロファイルは,要約情報などの簡易情報,説明などの詳細情報に基づく概要・要約再生機能などの再生・編集が可能である.4.管理プロファイルは,検索用情報,管理情報を保有する.またそれらの情報に基づく検索機能,管理機能を実現する.5.メディアプロファイルは,テキスト情報と音声情報,画像情報との関係付け,変換機能を実現する. 本研究では,時間,内容,画像品質の中でも特にサイズについて取り扱い,動画像符号化データのプロファイルに応じた情報変換時の制約条件について整理し,その変換処理手順について考察した. 今後は,変換用フォーマットの設計,また,変換方式の高速化及び品質についての有効性の検証を行ってゆく.
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