Research Abstract |
データベースシステム,或いは,ネットワーク伝送時の高度情報変換を睨んだ,昨年度のMPEG-2動画像トランスコーディングアルゴリズムの検討を基に,変換用フォーマットの設計,また,変換方式の高速化及び品質についての有効性の検証を行った. 変換用フォーマットとして,新たなスケーラビリティデータの構成方法(マルチメディアスケーラビリティパッケージ)を具体的に設計し,その実現性について明らかにした.昨年度提案した5つのスケーラビリティプロファイルの中で,特に品質プロファイルに相当する画像のサイズと,動画像情報として,品質プロファイルと内容プロファイル記述された方式を利用した.さらに,内容プロファイル記述を行う際,動画フレームの分析に輝度信号の時間相関を利用した. 次に,ハイブリッドスケーラビリティフォーマット(複合型プロファイル)のアプリケーション上での評価実験を行った.アプリケーションとして,画像検索システムに着目し,画像特徴量を算出する際に,動画像トランスコーディング方式の有効性,並びに,スケーラビリティフォーマットの利便性を,理論及び実験により明らかにした. MSP検索システムにおける検索処理時間において,品質プロファイルによる空間解像度方向のトランスコードを用いることにより,画像縮小サイズに相当する4倍,16倍,64倍,256倍と高速化が可能となり,また,内容プロファイルを利用すると,フレーム数を750枚から,最小5フレームと絞ることができ,最大153600倍までの高速化が可能となることを示した.また,画像特徴量算出時の空間解像度及び符号量に対するトランスコード処理の画質低下の影響についても検証し,提案方式の有効性を示した.
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